会話を弾ませられない人ができない「たった一つのスキル」とは?

繰り返す=相手の話を聞くことに

 それに対して、相手の言ったことを繰り返すと、それだけで相手に「そのとおり、わかってくれているのだな」という印象を与えることができる。なにせ相手の言っていることそのままなのだから、そのとおりであることは間違いない。  それも、「わかっています」という言葉よりも、相手の言ったことを口に出すことのほうが、口に出して再現してくれるほどにわかってくれているというメッセージを送れるのだ。  もちろん、繰り返しのリアクションを何度も実施していると、まるで録音機の再生かオウムかと思われてしまうし、なかにはバカにしているのかと思われてしまうので、何度も続ける話法ではない。そんなときには、繰り返しのバリエーションとして言い換えを繰り出すと、さらに変化を持たせることができる。  実は繰り返し話法には、リアクションすること以上に、大きな効果があることがわかっている。それは、繰り返し話法を心がけていると、相手の話を聞いて理解する度合が高まるのだ。「相手の話をしっかり聞きましょう」ということは、よく言われることだ。  しかし、聞くことだけを心がけても、しっかり聞けるようにはならない。聞くことよりも、繰り返し話法を繰り出すということを心がけていくと、繰り返しのフレーズを繰り出すために、自然と聞くことの度合が高まるのだ。 質問:会話をはずませるためにはどう反応すればいいのか  相手の考え方を聞き、相手が答えた内容についてリアクションするわけですが、具体的にはどのようなリアクションをすればよいのでしょうか? 回答:繰り返しと言い換え、2つの反応をする  「繰り返し」「言い換え」の2つのリアクションのうち、相手の考え方をふまえて、使いやすいものを繰り出すことがお勧めです。  丁寧なリアクションをしたい場合で時間の余裕があるなら、「繰り返し」のリアクションをしてから、「言い換え」のリアクションをすることもお勧めです。 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第156回】
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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