多くのモラ夫は風俗通いをし、風俗嬢にもモラハラを行う
モラ夫たちは、風俗通いを妻への裏切りとは考えていない。男には制御し難い性欲があり、その処理のためには、風俗は必要悪であると信じていたりする。
モラ度が高いと、風俗嬢に対しても、横柄で、自分勝手な行動をする。説教したり、ガシガシと苦痛を与えたりして風俗嬢からも疎まれる。多くの場合、風俗嬢とは恋愛関係にはならないので、不貞の場合のような変化は現れない。せいぜい、帰宅時に石鹸の匂いがしたり、小遣いがすぐになくなったりする程度である。したがって、妻が全く気づかないことも多い。
<注:家裁実務の通説では、売春や性交類似行為を含む風俗は、法律上の離婚理由に該当する。この点、「風俗は不貞ではない」(ので離婚理由にはならない)という誤った解説が流布されている。>
さて、冒頭の相談者の夫は、どの段階か。
朝帰りが増え、在宅時も上機嫌なので、おそらく、不貞相手との男女関係が始まったばかりの頃と思われる。モラ夫も相手方も、まだ結婚を考えていない時期だろう。やや手遅れ感もあるが、不貞を止めさせるとしたら、まだ間に合う可能性もある。
以上、モラ夫は、一般的に、女性関係にだらしない。男尊女卑の価値観から、男性の無思慮な性行動(性加害)が許されると信じているからであろう。
妻からすれば、モラハラで苦しめられ、さらに風俗通い、不貞までされるのである。まさに、踏んだり蹴ったりである。
モラ夫との結婚が不幸になる原因はここにもある。
<文/大貫憲介 漫画/榎本まみ>