第4次安倍改造内閣の知っておくべき側面。統一教会系閣僚11人、その他の問題集団との関係も枚挙に暇なし
統一教会と関係の深い議員が多数入閣。その一人、菅原一秀の経産相抜擢に見る、「菅政権」への布石〉でジャーナリストの鈴木エイト氏が、第4次安倍再改造内閣における統一教会系閣僚の顔ぶれをリポートしている。同内閣での統一教会(世界平和統一教会)系閣僚は11名。副大臣や政務官、党役員などを含めると総勢21人にものぼる、まさに「カルト内閣」だ。
しかも今回の内閣では、統一教会以外の問題集団と関わりを持つ議員も多い。「カルト」と断定すべきかどうかはともかくとして、問題のある宗教団体やニセ科学集団などとの関わりを検証したい。
閣僚4名、副大臣4名が関わりを持っているのが「不二阿祖山太神宮」(山梨県富士吉田市)。偽の古文書とされる「宮下文書」を根拠として、200~300万年前の富士山麓(富士高天原)に天皇を頂点とする「富士王朝」(古代富士王朝)があったとする世界観を教義としている。その文明において天皇家縁の神社だったのが「不二阿祖山太神宮」で、その再建を謳っている。
人類の誕生は約100万年前と言われている。200~300万年前と言えば、まだ猿人・アウストラロピテクスの時代。天皇を頂点とする王朝などあるはずもない。
またこの宗教団体は09年に設立されたもので、そもそも「富士王朝」なるものとは関係がない。「病気が治る奇跡の水」なるものを販売していた過去もある。
特に問題なのが、関連NPO法人の名義で年1回開催している「FUJISAN地球フェスタWA」。学研『ムー』編集長を講師に招き「富士高天原ツアー」や「富士王朝」に関する講演会を開催するなど、教義に結びつけるような企画を含んでいた年もある。
このイベントの初期に「代表発起人」と「名誉顧問」を務めてきたのが安倍首相の夫人・昭恵氏だ。彼女が関わりを持つようになって以降、多い年には47もの行政機関から後援を取り付けた。また70名近い国会議員が顧問などを務める。
そのうち、今回入閣したのが、田中和德・復興大臣、武田良太・国家公安委員長、竹本直一・IT担当大臣、西村康稔・経済再生大臣。副大臣では義家弘介氏(法務)、牧原秀樹氏(経産)、御法川信英氏(国交、内閣府、復興)。政務官では中谷真一氏(外務)、青山周平氏(文科、内閣府、復興)だ。
田中・復興大臣は2018、2019年の「FUJISAN地球フェスタWA」の特別顧問及び代表発起人で、ほかは全員2015~2019年の間、連続で顧問等を務めている。
不二阿祖山太神宮は、いわゆる「カルト」のような事件を起こしているわけではない。しかし「FUJISAN地球フェスタWA」は子供連れ客の来場も想定した内容で、教育委員会などの教育関係機関も多い年で17も後援についている。しかし、偽史に基づいた宗教イベントに国会議員ばかりか子供まで巻き込んでいるというのは明らかに問題だ。カルトというよりニセ科学に近い問題を抱える団体と捉えるべきか。
次に多いのが「霊友会がらみ」だ。高市早苗・総務大臣、加藤加藤勝信・厚労大臣、西村康稔・経済再生担当大臣がそれぞれ、過去に自身が代表を務める自民党支部や政治団体から霊友会や関連団体に会費を支払っている。小泉進次郎・環境大臣は会費支払いはないものの、2015年に霊友会創立祭に出席した。
霊友会も「カルト問題」の現場で取り沙汰されることは殆どない。しかし勧誘手法にかなり問題がある。
霊友会は伊豆の山奥の研修施設で定期的に合宿を行っている。お題目やお経を唱える完全な宗教合宿だ。これに、信者が知人などを誘ってくる。ところが、霊友会の宗教合宿であることを知らせないまま知人などを誘って連れてくるケースが複数確認されている。
正体を隠した勧誘は、統一教会などの典型的なカルト宗教の手法と変わらない。
昭恵夫人も関わる偽歴史教
「偽装勧誘」を行う霊友会
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