なぜ「メキシコペソ」を扱うFX会社が増えているのか? そのうまみとは

懸念材料も踏まえて、最善の戦略は?

 経済成長著しいメキシコだが、’17年の消費者物価上昇率が6.77%になるなど、インフレ率のコントロールには悩まされている。

消費者物価指数とインフレ目標
メキシコでは物価上昇率を2~4%の範囲に収まるよう、インフレ目標を導入。’17年の物価上昇率は6.77%と高かったが、’18年はやや抑えることができた

「メキシコ中央銀行ではインフレ目標を採用しており、消費者物価上昇率が2~4%の範囲に収まることを金融政策運営の目標としています。政策金利も3年ほど前までは3%でしたが、利上げが続き、’19年8月時点では8%となっています」  メキシコペソ/円は’16年に過去最安値を記録したが、その後はどうか。 「米中貿易摩擦の影響や世界景気の減速懸念などから、メキシコペソ/円が上昇し続ける状況にはなりにくい。一方で、過去最安値水準まで下がってきてさらに売られるかというと、政策金利の相対的な高さもあり、下値も堅い。メキシコ大統領は代わったばかりで政権運営が安定していくにつれ、下支え要因もあります。結果として、上にも下にもいきにくいレンジ相場がしばらく続くのではないでしょうか」  高金利通貨という特徴を生かし、過去最安値水準で買って高いスワップをもらい続けるのもいいだろう。また、しばらくレンジ相場が続くなら、レンジの安値圏で買い、高値圏で売るという機械的な戦略も有効だ。メキシコペソ、今なら長期的なスワップ運用が可能な通貨として狙ってみたい。 ― 新興国通貨で一発逆転 ―
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