「二刀流」の収益が期待できるも欠点もあり。新興国通貨の旨みとリスクとは?

メキシコペソ

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 ’18年のトルコリラの大暴落で、苦い思いをした人も多い新興国通貨だが、その陰で莫大な利益を上げていた人物も……。そこで今回は、高金利で人気の新興国通貨に投資して人生の一発逆転を狙う術を大研究!

新興国通貨投資は差益とスワップの二刀流で勝負

「高金利通貨はほったらかしで儲かる!」と、常々話題になる高金利の新興国通貨。かつてはNZドルや豪ドルがその代表だったが、現在はトルコリラやメキシコペソ、南アフリカランドなどの通貨に、高いインカムゲインを誇る高金利通貨として注目が集まっている。マネースクエアのシニアアナリスト・八代和也氏は、これらの高金利な新興国通貨の特徴について次のように解説する。 「一般的に新興国通貨は、主要国通貨以上に変動率が大きいため、為替変動による為替差益が期待できる点に加え、スワップの受け取りが期待できます。キャピタルゲインとインカムゲインのダブルの収益チャンスがあることが特徴です」  長年、為替市場に携わってきた為替ディーラーの野村雅道氏も、高金利通貨についてこう話す。

政策金利の上がる仕組み

「昔の日本は貿易黒字だったので円高に振れやすかったですが、人口減少のなかで今から日本がモノ作り大国として成り立つのは難しい。貿易赤字の国の通貨は下がりやすく、日本円はこれから急激な円高にはならないと見ています。その意味では高金利通貨を買ってスワップをもらう戦略はアリです」  一方で、デメリットや注意点もある。 「FXにおいて新興国の高金利通貨は、スワップという魅力がありますが、“高金利”には理由があります。一つはインフレ率(物価上昇率)の高さです。物価の上昇を抑えるべく、政策金利を引き上げて金融引き締めをしようとしたりします」 (八代氏)  物価上昇を抑えるためには利上げをしなければいけない。しかし、そうすると金融が引き締められて景気が悪化する。逆に利下げをして景気をよくしようとすると、インフレが加速する……。政策金利の高い新興国は難しいかじ取りを迫られているのだ。

「経常収支の赤字」「地政学リスク」にも注意

 八代氏はほかに「経常収支の赤字」「地政学リスク」なども高金利通貨の注意点として挙げる。 「経常収支が赤字の国は、海外からの資金を呼び込むために金利を高くしていることがあります。金融政策、成長性、GDPなどの基本データを見るのはもちろん、人口動態、地理的なもの、資源国通貨なら資源価格の動向などにも目を配るべきです。状況は刻一刻と変わります。新興国は政治情勢の影響を受けやすいのも特徴です。大統領の発言や行動によってガラッと変わってしまうこともあるので、常日頃からチェックしてリスク管理をしっかりしていきましょう」  トルコのエルドアン大統領は強権的な政治姿勢でトランプ米大統領と対立し、’18年夏には「トルコショック」が起きた。理由があって金利が高いということには注意すべきだろう。 「さらに、世界的にリスクオフ(リスク回避)の局面では新興国から資金が引き揚げられやすい傾向もあります。主要国の金融政策やグローバルな資金の流れに脆弱ですね」
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魅力とリスク、高金利通貨での戦略は?
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