かつて原子力推進を「申し訳ない」と謝った小泉進次郎、安倍政権の原発再稼働に“お墨付き”を与える存在に!?

“お友達内閣”安倍政権への批判をかわす進次郎氏の入閣

小泉純一郎・元首相

父親の小泉純一郎・元首相は「原発ゼロ」を訴えて全国講演行脚を続けている

“進次郎氏の初入閣効果”は他にもある。安倍首相の“お友達内閣”との印象を薄めるのにも確実に貢献したのだ。  例えば、国会で加計疑惑について追及された萩生田光一文科大臣は、官房副長官時代の2016年、加計学園獣医学部について「官邸は絶対やると言っている」などと発言したと記した文科省の文書が明らかになった。安倍首相と加計孝太郎理事長とのスリーショット写真も出回っている。本人は関与を否定し続けているが、洪水のような小泉進次郎大臣関連のニュースがこれをかき消してくれた。  辺野古新基地建設についても小泉進次郎大臣は、安倍政権の実態(不都合な真実)を目立たなくする世論工作の片棒を担ごうとしている。9月15日付『読売新聞』の記事で小泉進次郎大臣は「世界自然遺産への登録を目指す『奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島』は、来月に現地調査を予定しており、世界遺産としての価値や保全の取組みを説明する。来年夏には確実に登録されるよう、関係機関と連携したい」と語っていた。  しかし安倍政権は辺野古新基地建設のために、世界的に貴重なサンゴ群落が生息する大浦湾周辺で埋め立て工事を続けている。そうしたサンゴに大打撃を与える大規模な地盤改良工事にも踏み切る構えを見せている。環境破壊事業をゴリ押しする一方、世界遺産登録を目指すという支離滅裂な政策を沖縄で進めている。自公政権が、沖縄の自然環境を破壊している現実を隠蔽する目くらまし役を小泉大臣はしようとしているといえるのだ。 【参考記事】⇒辺野古土砂投入で危機迫るサンゴ群落。「ローラさんらに見に来てほしい」とグラスボート船長が訴え

原発再稼働への「お墨付き」を与える役割も!?

 安倍政権が推し進める原発再稼働に「お墨付き」を与える役割も果たしそうだ。先の『読売新聞』の記事では「原子力防災担当として原発が立地する自治体の避難計画を、地域の気持ちに寄り添って作ることが大事だ」とも語っていたが、現在の日本の避難計画が“画に描いた餅”であることは、元新潟県知事の泉田裕彦衆院議員(新潟5区)が指摘している。  歴代原子力防災担当大臣と同様に小泉進次郎大臣もまた、実効性の乏しいずさんな避難計画のまま原発再稼働が罷り通っている実態に目をつぶり、お墨付きを与えていくだけとなる可能性は十分にあるのだ。  官邸言いなりの“客寄せパンダ大臣”に徹するのか、それとも安倍首相に「原発ゼロ」を進言した父・純一郎元首相のように日本の政治を変える旗振り役となるのか。小泉進次郎大臣の言動から目が離せない。 <取材・文・撮影/横田一>
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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