USBの新規格「USB4」の仕様が公開。Thunderbolt 3、USB Type-C ってどういうこと?

Thunderbolt 3 とはどういう技術?

 次は、Thunderbolt 3 だ。Thunderbolt 3 は、Thunderbolt の三代目の技術である。Thunderbolt は、インテルとアップルが協力して開発した接続インターフェースだ(参照:IntelApple)。この2つの企業が関わっているために、アップルの製品で最初に商用化された。  Thunderbolt は、ともかくデータ転送速度が速いのが特徴だが、それだけではない。機器を数珠つなぎにするデイジーチェーンもサポートしている。そのため、たとえばパソコンからプリンタにケーブルを繋ぎ、プリンタからスキャナにケーブルを繋ぐといったことができる。放射状にケーブルを繋がずに済むので、ケーブルが一ヶ所に集中せず、テーブル周りをすっきりさせることができる。  また Thunderbolt は、USB、DisplayPort など複数のプロトコルをサポートするマルチプロトコルとなっている。そのため周辺機器もモニターも1つのケーブルから接続することができる。その機能を使えば、パソコン背面のコネクタの種類を減らすことが可能だ。

USB4の登場で、これからどのように変わるのか?

 USB4 はまだ仕様が公開されただけで、世の中に普及しているわけではない。しかし今後普及していけば、よい面が多くある。  まず、パソコンのコネクタの端子が劇的に減る。様々な形状のものを用意しなくても、USB4 の端子があれば事足りるようになる。周辺機器に繋ぐのも、ディスプレイに繋ぐのも、USB4 を使えば済むようになるだろう。  また、タコ足配線も減るだろう。上手く数珠つなぎにすれば、同じ場所にケーブルが大量に集まるということがなくなる。見た目もよくなり、掃除もしやすくなるはずだ。私自身、パソコン周辺は、これでもかとコードがあり、山盛りのスパゲッティをぶちまけたような状態になっている。何とかならないだろうかと常々思っていたが、改善されるかもしれない。  また、USB は、アップデートにより機器への給電能力が徐々に上がっている。周辺機器の使用電力が下がり、USB の給電能力が上がれば、電源ケーブルの問題から解放される日が来るかもしれない。これまで USB は少しずつアップデートされてきた。さらによくなるように、継続的なアップデートを期待したい。 <文/柳井政和>
やない まさかず。クロノス・クラウン合同会社の代表社員。ゲームやアプリの開発、プログラミング系技術書や記事、マンガの執筆をおこなう。2001年オンラインソフト大賞に入賞した『めもりーくりーなー』は、累計500万ダウンロード以上。2016年、第23回松本清張賞応募作『バックドア』が最終候補となり、改題した『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』にて文藝春秋から小説家デビュー。近著は新潮社『レトロゲームファクトリー』。2019年12月に Nintendo Switch で、個人で開発した『Little Bit War(リトルビットウォー)』を出した。2021年2月には、SBクリエイティブから『JavaScript[完全]入門』、4月にはエムディエヌコーポレーションから『プロフェッショナルWebプログラミング JavaScript』が出版された。
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