窓が割れ学校の教室もめちゃくちゃに! 現地住民が語る報道が少ない南房総エリアの被害

屋根が崩落したガソリンスタンド

屋根が崩落したガソリンスタンド(館山市在住男性提供)

台風一過、2日過ぎても停電復旧しない地域が!

 9日に955hpaと非常に強い勢力を保ったまま関東地方を通過した台風15号。  首都圏の交通網も大きな打撃を受け、翌月曜日10日の出勤時は大混乱となったことはニュースなどでも大きく報じられたが、3日経過した水曜日もなお、停電が続き、物資が不足しているにも関わらず、ろくに報じられないことで住民の不満が溜まっていたエリアがある。  台風の進路右側、「危険半円」と呼ばれる暴風が極めて強くなるエリアに位置していた千葉県である。東京電力パワーグリッドの公式サイトによると、9月11日午前10時24分時点で県内44万5700軒で停電したままだったのが、それから10時間ほど経過した11日20時20分の段階でも約39万1600軒がまだ停電したままとなっている。
停電情報|東京電力

東京電力パワーグリッドの公式サイト内「停電情報」より

 特に被害が大きかったのは内房の鋸南町や館山市、南房総市などは停電以外にも大きな被害を受けており、ツイッターなどで悲鳴にも近いTweetが多く見かけられた。

学校はガラスも割れ教室の中まで水浸し

 館山市在住の男性、北口寿明さん(仮名)は語る。 「市役所、中学校は今日の昼頃解消されましたが、私の勤務先は16時の段階でまだ解消されていません。まだ市内の7割近くは停電している感じです。市内の信号も半分くらいは消えたままです。建物の被害も大きく、シャッターや外壁、屋根が吹っ飛んでます。またガラスも割れてます。これは私の友人の子供の学校ですが、ガラスが割れて教室の中まで雨が吹き込んでおりめちゃくちゃになっています」
室内まで水浸しでめちゃくちゃになった教室

室内まで水浸しでめちゃくちゃになった教室(館山市在住男性提供)

ガラスもめちゃくちゃに壊れている建物

ガラスもめちゃくちゃに壊れている建物(館山市在住男性提供)

 同じく、館山市在住の吉田次郎さん(仮名)に聞くと、「海沿いの遮蔽物がない建物を中心に、老朽化した建物が多く被害を受けているようです。低所得者の方が住む木造家屋も被害にあっています。ただ、台風通過直後は一部電柱の倒壊や倒木で通行止めになっていましたが、いまはだいぶ回復しつつあります」という。
倒壊した家屋

倒壊したプレハブの家屋。(館山市在住男性提供)

 また、停電の影響はこの台風一過の猛暑で非常に厳しいものとなった。10日には、南房総市と市原市で93歳の女性と65歳の男性がそれぞれ自宅で倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されたという。両世帯とも停電しており、熱中症が疑われたという。  一夜明けた11日も、「暑くてろくに眠れません」と多くの声が聞こえた。 「電力会社の方々のおかげで徐々に通電しつつありますが、要介護者のいる社会福祉施設の所在地を含めいまだに停電地域が残っています。また、老朽損壊家屋が多くブルーシート等で一時的に処置していること、もともと高齢化率の高い地域なので、災害弱者が多いことも知ってほしいと思います」(吉田さん)  停電の結果、断水も発生したことが一層熱中症の危険性をましたと思われる。
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