日米地位協定の闇。米軍基地の「日本人警備員」の知られざる実態

観光客急増で崩れる沖縄の「基地依存」

 日本には、東京の横田基地や山口の岩国基地など131の米軍施設・区域がある。うち33が沖縄県にあり、米軍専用施設に限ると、その割合は約70%に及ぶ。本土よりも米軍基地が身近な存在であるだけに「基地経済」への依存度の高さはたびたび指摘されてきた。しかし、最近では「基地経済ありき」という定説は崩れつつある。 「観光客数は昨年度に999万人を超え、6年連続で過去最多を更新。県内路線価も今年、2年連続で日本一の伸び率を記録して好況が続いている。経済規模は拡大し続けており、基地依存は薄らいでいる。むしろ成長を妨げる悪要因になりつつある」(地元紙記者)  ’60~’70年代にかけてベトナム戦争の特需に沸いた歓楽街も時代の流れを象徴する場所だ。 「中心地のコザゲート通りの商店街は昼間でもシャッターが閉じられ、人通りもまばら。基地内に土地を持つ一部商店主が借地料でなんとか食っている状態」(同) 「基地依存」はもうそこにない。 <取材・文・撮影/安藤海南男 奥窪優木 写真/時事通信社 Shutterstock>
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