トランプ大統領の「just left」発言をアメリカ人に聞いてみたら……

トランプ大統領

G7後の記者会見でのトランプ大統領。(via The White House on YouTube)

 8月末にフランスで行われたG7主要国首脳会議。その後の会見の場で、トランプ大統領が記者会見で朝日新聞記者の質問に答えて「just left」という言葉を発したことが、ネット上でちょっとした話題になった。

会見でトランプが「よお、左翼」?

 問題となったのは次のようなやりとり。「朝日新聞」の記者が自己紹介したのち質問しようとすると、トランプ大統領は次のように答えた。(参照:ホワイトハウス。動画はホワイトハウスのYouTubeチャンネルより47分06秒あたりから)  “Good. Just left your Prime Minister, Abe. Good man. Great man.”  このやり取りを見たときに、中学程度の英語の知識があれば、「left」=「leave」の過去形・過去分詞形じゃないか? と真っ先に思いつきそうなものだが、日本の一部ネットユーザーたちの間で、“Just left”という部分には「朝日新聞」が左翼だという意味が込められていると話題になったのだ。  「よお、左翼」「公正な左翼」「完全な左側」……などなど、さまざまな珍訳がSNS上を賑わせたのだが、海外在住の日本人や英語の知識があるネットユーザーからは誤訳であるというコメントが相次いだ。  さらにはこういった不可解な訳を揶揄する「#ネトウヨ英語という名のアート」「#ネトウヨ英語」などのハッシュタグも登場。トランプ大統領が安倍首相を讃えながら、「朝日新聞」を痛烈に批判したと信じて疑わない人々と、その姿を見て英語力のなさを嘆き、皮肉る人々と、真っ二つにわかれた。

はたして読解力の問題なのか……

 しかし、多少なりとも英語の知識がある人ならばわかるとおり、このコメントをトランプ大統領が「朝日新聞」を批判したと解釈するのは無理がある。彼が安倍首相を“Good man. Great man.”と褒めているのは確かだが、“Just left”という部分に関しては、「(私は)ちょうどあなたの首相、安倍と別れたところだよ」という意味にしか捉えられないのだ。ちなみに筆者は日本とポーランドのハーフで、トライリンガルである。  それでもネット上では、「朝日という言葉に反応しているから、ダブルミーニングだ!」「トランプにも朝日の悪行が知られている!」「世界に拡散するべき!」といった意見が次々に登場。誤訳だということを恥じるどころか、読解力が足りないと“逆ギレ”する人たちが出る始末だ。  確かに、英語を学んで覚えた日本人ならば、細かなニュアンスを理解できず、間違っている可能性も(わずかながら)あるかもしれない。筆者も含めネット上で批判をしていた人も、大半はネイティブではないだろう。  そこで今回は英語のネイティブスピーカーであるアメリカ人たちに、トランプ大統領のコメントと「朝日新聞を左翼認定説」について話を聞いてみた。
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アメリカ人からは辛辣なコメントが……
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