それでは、これから米国株投資を始める場合、どんな手法が考えられるか。たぱぞう氏は投資信託、もしくはETFを購入、市場全体の成長に便乗する方法を提案する。
「日本株は優良銘柄を厳選して投資する必要がありますが、米国株は市場全体が素直に伸びていくので長期の目線でインデックスを買っておけばOK。景気後退が不安なら投資対象だけでなく、投資時期も分散できる積み立て投資がいいでしょう。成長では劣りますが、配当収入が欲しい人は高配当株のETFに注目です」
一方、個別銘柄で勝負したいときの戦略としてバフェット太郎氏は次のようにアドバイスする。
「景気は循環するものなので、不況時に下がりにくい銘柄と好況時に上昇しやすい銘柄を併せ持つと分散効果が高くなります。私も『不況に強い銘柄』として、日本でもおなじみのブランドであるP&Gとコカ・コーラを保有しています。いずれも配当利回りは2%超、50年以上連続増配中の超優良銘柄です。現在はその2銘柄を含めた高配当株10銘柄を均等に保有。月10万円以上の配当を得て、この配当に新規投資の資金を足して、毎月10銘柄の中で最も割合が小さい銘柄を買い足しています。これまで投資額が小さい人に個別株投資は少し難しかったのですが、ネット証券の最低取引手数料無料化によって誰でもこういった手法が取れるようになりました」
新規参入のハードルがグーンと下がった米国株投資。100年成長の実績に便乗していれば、「老後2000万円問題」も怖くない。
投資信託●eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
米国の代表的な500銘柄を抽出したS&P500指数(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資信託。信託報酬も0.15%と安く、長期保有しやすいのが特徴
投資信託●楽天・全米株式インデックス・ファンド
米国のほぼ全上場銘柄に投資できるバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)に連動。外国株口座を開設しなくても実質的にVTIに投資できる
ETF●バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
米国の株式市場で投資可能な個別銘柄のほぼ100%をカバーするETF。大手銘柄だけでなく、中小型株まで含めて幅広く分散投資したい投資家に向いている
ETF●iシェアーズ・コア S&P 500 ETF(IVV)
米国を代表する500銘柄で構成されるS&P500指数に連動するETF。組み入れ上位銘柄はマイクロソフト、アップルなど。大型株中心に投資したい人に特におすすめ
ETF●バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
米国の大型株の中から予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を中心に組み入れたETF。分配は年4回。組み入れ上位銘柄はジョンソン&ジョンソンなどとなっている