ほかにもモラ夫の屁理屈論法はあるが、今回はここまでとする。モラ夫たちは、学歴が高い、社会的地位のある者を含めて、決して頭がいいわけではない。モラ夫は、自らのモラが妻子を不幸にし、ひいては自らも不孝にすることに気が付かない。むしろ、究極的に頭が悪いともいえる。したがって、しばしば妻の反論を潰せない。しかし、モラは終わらない。モラ夫に禁じ手はないのである。
5、お前が正しいのか?正しいことを証明してみろ。
ここでモラ夫の言う証明とは、「俺が納得する証明」である。例え、どんな証明を提出しても、モラ夫は納得しないので、被害妻は言い負ける運命にある。
6、そうか、いつもお前が正しいと言うんだな。
「いつも」を付け加えた点は、カカシ論法の応用である。妻が、そうね、「いつも正しい」訳ではないとモラ論法を肯定すると、そうだろ、お前が間違っていると論理をすり替える。
7、俺を悪者にするのか。俺の気持ちも知らないで。
それでも追い詰められると、俺を悪者にするのかと開き直る。そして、妻が否定できない俺の気持ちで反撃する。
多くの被害妻は、決して夫を言い負かそうとしていない。むしろ、夫に理解してもらうおうと努力する。他方、モラ夫は、妻を言い負かし、支配することを意図し、禁じ手がない。これでは、妻に勝ち目はない。ジェダイの騎士は、シスの暗黒卿には勝てないのである。
以上の
ソフトモラの手法を駆使しても、妻を言い負かせないこともある。そうなると、ハードモードに切り替わる。怒鳴る、睨みつける、物を投げる、ドアをバッタンと閉め、壁をパンチする、妻をガン無視するなどのハードモラで妻を攻撃し、従属させるのである。
さて、冒頭の「俺のカネで買ったんだよね」は、妻のプレゼントを捉えて、
「俺が稼いでいる」=「俺が主人」という論理を妻に押しつけるための一種のすり替え論法であり、ソフトモラの一種である。
プレゼントを貰い、本来喜ぶべき場面まで利用して、妻に対する支配を確立しようとしているのであり、悪辣というべきである。
モラ文化は、一朝一夕で変えることはできない。これからも、多くの有名人、権力者、「識者」のモラ発言が出て来るだろう。
曽野綾子氏が、「(女は)出産したら会社を辞めろ」と発言したことが話題になった(
参考)。
出産、育児は、人間社会を維持するために必要有益なことであり、これを人迷惑とする発想自体、あり得ない。
仮令、営利企業であっても、社会的存在であり、社会に貢献するのは義務である。しかも、労基法にも規定がある。したがって、企業が出産、育児を支援することは、全く以て当然のことである。曽野氏女性作家の発言は、モラ文化から出た、由々しきモラ発言であろう。
繰り返されるモラ発言に対しては、否定的評価を重ねることで、モラ文化を地道に駆逐していくしか、日本が生き残る道はない。