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8月22日に、次バージョンの Android について
Google から発表があった。内容はいくつかある。Android ではこれまで、バージョンの数字とともにアルファベット順のコード名を使用してきた。そして、そのアルファベットを冠するデザート名(カップケーキ、ドーナツなど)も用意していた。しかし、「
Q」となる今回は、その慣例を改めて
Android 10 にするそうだ。
「Q」はアルファベットの17文字目である。17番目なのに Android「10」であることに疑問を持つ人もいるだろう。これは、4.1や4.4といった小数点付きのバージョンにもコード名が与えられていたためだ。そのため17文字目だが、バージョンは10ということになる。
Android も、1.0がリリースされた2008年9月から10年以上経っている(参照:
CNET Japan)。アクティブなデバイス数も25億台に達している。そうしたことからブランドについて、よりシンプルに変更しようという流れなのだろう。そうした変更は、コード名とともに発表されたロゴやその色の変更からも察せられる。Android は特別なものではなく、より当たり前のものとして、人々の生活の中に浸透していくのだろう。
過去の Android のバージョンとコードネーム
さて、アルファベットのコード名と、その文字を冠したデザート名が廃止されるわけだが、過去にどのようなものがあったのか振り返ってみよう。
2008年9月の1.0、そして2009年2月の1.1の頃は、コード名がなかった。この頃のことはよく覚えている。私が初めて Android を触ったのは、1.0を搭載した
T-Mobile の端末だった。まだ日本でAndroidの端末は出ていなかったが、ゲームを作って公開して遊んでいた。
2009年4月、次の1.5の時に初めてコード名が登場した。その時のデザート名は「
Cupcake」(カップケーキ)だった。日本で初めて登場した NTTドコモの
HT-03A は、この1.5が搭載されていた。事実上の日本デビューの時に「Cupcake」というデザート名が登場した。この頃私は、Android 向けアプリの開発経験者ということで、技術書を執筆したりしていた。
日本で初めてのAndroid端末、NTT_docomo_HT-03A Public Domain
その後、デザート名は続々と続いていく。1.6は「
Donut」(ドーナツ)、2.0 – 2.1は「
Eclair」(エクレア)、2.2 – 2.2.3は「
Froyo」(フローズンヨーグルトの通称)となった。
デザート名の話題が多く出るようになったのは「Donut」の頃からだと記憶している。どうやら今後もアルファベット順にデザート名が付くらしいと分かったからだ。そして、新バージョンが出る度に、どのデザートになるのか予想するようになった。
以降、「G」から「P」までは表形式で掲載しておく(参照:
Androidのバージョン履歴 – Wikipedia)。
* 2.3 – 2.3.7 …… Gingerbread(ジンジャーブレッド)
* 3.0 – 3.2.6 …… Honeycomb(ハニカム)
* 4.0 – 4.0.4 …… Ice Cream Sandwich(アイスクリームサンドイッチ)
* 4.1 – 4.3.1 …… Jelly Bean(ジェリービーン)
* 4.4 – 4.4.4 …… KitKat(キットカット)
* 5.0 – 5.1.1 …… Lollipop(ロリポップ)
* 6.0 – 6.0.1 …… Marshmallow(マシュマロ)
* 7.0 – 7.1.1 …… Nougat(ヌガー)
* 8.0 – 8.1 …… Oreo(オレオ)
* 9.0 …… Pie(パイ)
こうして並べてみると、そろそろデザート名は潮時だったのかもしれない。「Q」は明らかに候補が少ないだろう。そして「V W X Y Z」と、デザート名として難しそうな文字が控えている。そして「Z」を越えた時点で、その次はどうするのかという問題が発生する。そうした意味で、止め時を探していたのかもしれない。
開発陣も10年以上経てば大きく変わっているだろう。創業気質のメンバーから、保守管理が得意なメンバーに変わっている可能性もある。チームのノリも大きく違うだろう。過去の慣例が馴染まないものになっていれば改めるべきだろう。