栄養管理士の指導のもと、選手にあったメニューが提供される
また、若獅子寮のなかには広々とした食堂も設置。栄養管理士による個々の選手に合わせた栄養指導を実施するなど、選手をサポートする体制が整えられている。
広々とした食堂内にもモニターが設置されている
球団本部の広池氏は選手からの反応も上々だと語る。
選手からはジャグジーやサウナを完備したお風呂が好評
「新しい施設は今までより広くなり、とても喜んでくれています。寮生からはお風呂が特に人気で、ジャグジー・水風呂を新たに設置したので、今までにない設備がありリラックスできるという声があがっています」
若獅子寮の壁面には歴代の球団旗がデザインされている
若獅子寮の壁面には歴代のチーム球団旗がデザインされており、新たな設備を導入するだけでなく、球団が歴史を大切していることが伝わってくる。ボールパーク推進部の丸山雅之氏はその狙いをこう説明する。
「若獅子寮やトレーニングセンターがある場所は、西武第二球場なども含めて、ライオンズの育成の歴史を紡いでいくエリアです。球団創設70周年の歴史の中で、日本一は13回、リーグ優勝はパ・リーグ最多の22回を重ねてきました。その歴史をこの場所からしっかり継承していく、というテーマがエリア全体にあります。
偉大な先輩たちが築いてきた歴史を受け止め、これからの歴史を作っていく次の世代の選手たちにこの場所から巣立ってほしいという願いがあります」
ライオンズロードに面した「WE ARE ONE」の文字は見る向きによって色が変わる
トレーニングセンター、若獅子寮の横には西武第二球場へと向かう道「ライオンズロード」が通っている。道に向かった壁面にも細かな仕掛けが施されている。
「ライオンズロードはファンの方の導線であり、接点となる場所です。トレーニングセンター壁面の『WE ARE ONE』の文字も含め、ファンの方にもこのエリアの持つメッセージを共有し、選手もファンも球団も世代を越えて、一体となって歴史を紡いでいきたいという想いを形にしました。
『WE ARE ONE』の文字が、見る方向によってライオンズブルーとレジェンドブルーに変わるのも、歴史の継承を表現しています」(丸山氏)
メットライフドーム周辺エリアの改修は今後も続いていく。旧フラッグスと球団事務所、キッズパークが入っていた獅子ビルもリノベーションされる予定だ。
「獅子ビルのリノベーションについては現在計画中ですが、現存の店舗とは異なるコンセプトを設けた飲食およびグッズ関連店舗、そして子ども向け施設のライオンズキッズパークをリニューアルする予定です。新設の飲食フロアは着席スタイルで約200席程の規模、ライオンズキッズパークは現存と同等規模程度を計画しています」(丸山氏)
また、メットライフドームの外周付近には大規模な子ども広場も設置されるという。
「野球やライオンズにそれほど興味がなくても、メットライフドームに足を運んでみたくなるような魅力ある遊具と場を提供し、公園に遊びに行く感覚でメットライフドームにお越しいただけるような、そんな場所にできたらと考えています」
ファンと選手、そして球団の過去と未来を繋いでいく今回の改修計画。これまで熱心に球場に足を運んできたファンはもちろん、新規のファンにとっても見所満載となりそうだ。
<取材・文/林 泰人 撮影/渡辺秀之>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン