1960年代にかけてはヒッピー文化が台頭。ラブ&ピースを求めるヒッピーたちがイビザに集結し、「ヒッピーの聖地」と言われるまでになった。今も毎週ヒッピーマーケットが開催されていて、ヒッピー文化を感じられるだろう。
1970年代にはクラブカルチャーが芽生え始める。今も老舗のナイトクラブで知られるPacha(パチャ)は1973年、泡パーティで有名なAmnesia(アムネシア)は1974年、世界最大級のクラブとしてギネスブックに載っているPrivilege(プリビリッジ)は1978年にそれぞれ創業されている。
そして、イギリス人がイビザのクラブカルチャーに目を留め、イビザ島はパーティアイランドとして世界に知れ渡っていった。今では世界レベルのDJがイビザのパーティシーンを盛り上げるために、ハイシーズンの6月から9月にかけて訪れ、夜を彩っている。
時代や歴史の変遷とともに、様々な文化を受け入れてきたイビザ。それが、唯一無二のイビザカルチャーを生み出し、今や世界中から観光客が集まる地中海リゾートになった所以なのではないだろうか。
Museu Puig des Molins (プッチ・デス・モリンス考古学博物館)
イビザで世界遺産と言えば、後述するDalt Vila(ダルトヴィラ)が有名だが、今岡氏に案内されたプッチ・デス・モリンス考古学博物館に隣接する、フェニキア人やカルタゴ人の古墳群も世界遺産に認定されている。
「あまり知られていないが、旧市街地からもアクセスできるので、イビザの歴史を学ぶために訪れて欲しい」(今岡氏)
プッチ・デス・モリンス考古学博物館内には、イビザに居住していたフェニキア人、カルタゴ人、ローマ人が当時使っていた土器や飾り物、小品などの出土品が収容されている。
細かなデザインや模様など目を見張る展示物が並ぶ姿は、文明が息づいていた証拠だろう。
隣接する古墳群には空洞になっている箇所があり、ヘルメットを被って見学ができる。古墳群には、この一帯だけでおよそ3000個のお墓があると言われている。
当時の生活様式や雰囲気を感じ取れるスポットに足を運び、イビザの歴史を学ぶのはいかがだろうか。
次回以降、イビザの市街地やおススメの飲食店、ナイトライフについて紹介する。
◆<短期集中連載・心ときめく楽園イビザに恋して1>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。