成果が出ないのを部下のせいだけにするのは「無能」。トップダウンのマネジメントに固執するな
リーダーシップスキルを向上させる演習プログラムを実施していて、相談を受けることが増えている内容に、「部下や後輩が言うことを聞かない」というものがある。
「指示や命令をしても動いてくれない」「反発をされる」「何も反論してこないが、腑に落ちていないようだ」「価値観が異なるメンバーと仕事をすることが多くなったので、言うことを聞かせることが一筋縄ではいかない」「ゆとり世代は特に指示や命令を浸透させることが難しい」
こういう相談が後を絶たない。
そして、「部下に言うことを聞かせるにはどうすればよいのか」「指示や命令に服従させる研修はないか」「軍隊式研修に入れればよいのか」「言うことを聞かない部下にプロジェクトやチームから外れてもらっても、部下は行くとこがない」というような、上司や先輩側がどうするかという相談ではなく、部下や後輩側をどうすればよいのかという相談が続く。
高度成長期であれば、指示・命令によるマネジメントで、いわば軍隊方式で部下や後輩に言うことを聞かせ、一気呵成に成果を上げにかかることが効果を上げていたかもしれない。従う側もそれによる利益を享受できていた。
しかし、指示・命令によるマネジメントが通用しなくなっている。低成長が続くなか、環境変化は加速し、上司や先輩の指示・命令の成功確率が低下している。価値観は多様化し、ひとつの指示・命令に素直に従うほど、考え方は一致していない組織がほとんどだ。
上司や先輩だけが情報を持っていた時代は、情報を持っていることがパワーの源となっていたが、誰もが情報に接する時代、特に若手の方が情報収集に長けている今日では、上司や先輩は指示・命令のパワーの後ろ盾を持っていないと言える。上司も部下も流動化する時代、指示・命令のパワーを蓄積する前に人が変わる。しかし、成果を出さなければならない。
今の社会はトップダウンのマネジメントが通用しなくなっている要素が満載だ。だから、トップダウンの効き目が低下しているのは、当たり前なのだ。
根強い、部下や後輩に問題があるという考え
環境変化がリーダーシップのあり方を変えた
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