イタリアの連立政権崩壊、時間の問題に。極右の「同盟」政権取得の可能性も

サルビニvsコンテ、闘争の決着は……

 現在議員は夏休みの最中であるにも拘わらずサルビニは「議員は腰を上げてローマに月曜(12日)には来なければならない」と要求して議会の招集をかけようとしたのであるが、コンテはそれを決めるのはサルビニには委ねられていないと断言したのである。サルビニの狙いは10月の総選挙実施である。議会解散から45日目から総選挙が実施できるという規定から、サルビニにとって8月後半までには解散にもって行きたいということなのである。(参照:「AHORA ROMA」)  五つ星運動への国民からの支持が大きく落ち込み、その2倍の支持率を享受している現在の同盟の党首サルビニにとって現在の議会には敵なしの状態である。  議会の解散がほぼ確実な状態にある中で一つ問題を抱えているのは2020年度の予算を10月15日までに欧州連合に提出する義務があるということだ。ということから、マッタレッラ大統領は議会の解散を遅らせて、暫定的にテクノクラートによる内閣を発足を考えているようだ。そして一旦議会で予算の承認を得た上で、それを欧州連合に提出するというプランだ。しかし、このプランに現内閣を構成している2政党がそれに賛成するか微妙である。または、同盟がその首班を指名することを要求する可能性もある。(参照:「El Independiente」)  恐らく、現状では新しい動きは9月初旬まで待たねばならないであろう。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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