「
転職すべき原因」と「
転職すべき目的」のどちらで考えるかが転職の失敗と成功をわける。「転職すべき原因」で考えた転職は失敗しやすく、「転職すべき目的」で考えた転職は成功しやすいのだ。
「転職すべき原因」は、フロイトが提唱した原因論に基づいた考え方で、過去の失敗や職場の人間関係を持ち出して、転職すべき理由(原因)を考えることだ。過去の失敗を改善するために、転職という選択をしようとしているが、過去の失敗はどうにもできない。多くの人が、原因論的に考える傾向にある。
例:「人間関係が合わない」「仕事が楽しくない」「収入が少ない」など
「転職すべき目的」は、アドラー心理学の目的論に基づいた考え方で、自分の未来や目的のために何をすべきか考えるのだ。過去の失敗よりも、仕事をする目的や、お金を稼ぐ目的について考えて、自分が転職すべき目的を考える。人生のミッションやビジョン、コンパスを考えるのと同じだ。自己啓発本にもよく書かれていることだが、実行できている人は少ないだろう。
例:「成長したい」「出世したい」「海外で働きたい」など
比較してみると、どちらの方が前向きに転職を考えているかわかるだろう。原因論は「(ない)Not」というネガティブなものが多くなるが、目的論は「(したい)Want」というポジテイブな発想になっている。
もちろん、仕事に向き・不向きはあるが、目的論的に考えなければ、長期休暇のたびに「自分は何がしたかったのだろう」と考えることになって、いつまでも転職をし続けることになる。
なので、もし、夏休み中に転職のことが頭をよぎったら、その感情を理解しようとすることだ。
「転職したほうがいいかな」と思ったときに、「じゃあ、どこがいいんだろう」という手段を考えるのではなく、「なんでそんなことを思ったんだろう」「自分はどうしたいんだろう」と内観してみることが重要だ。そして、結論は「(したい)Want」で出るようにするのだ。
どこに転職するかまでは考えずに、人生のミッションやビジョンだけを考えるようにして、夏休みが終わったときに、今の仕事が本当に人生のミッションに合わないのか考えてもらいたい。
夏休みは、空いた脳のスペースを使って、自分を見つめ直すのに最適な時間となるだろう。
【参考資料】
『夏休みと転職に関する調査』株式会社スタッフサービス・ホールディングス
『嫌われる勇気』岸見 一郎 、古賀史建
『人生を変える思考スイッチの切り替え方 アドラー心理学』八巻秀監修