今さら聞けない「投資信託って何?」<夏の初心者向け投信入門>

最近人気の「リスク軽減型」

 ネット証券や投信情報サイトのモーニングスターでは、チャートで同じ分類の投信と値動きを比較できる。最近なら’18年末から’19年初の乱高下相場を見るのが参考になりそうだ。 「騰落率や売れ筋ランキングを気にする人も多いですが、騰落率はその時点での成績でしかありません。また資産家が特定商品を一気に買い付けるだけでランキングは変わるので、あまり参考にはなりません」(同)  基準価額を見て割安度を判断する人もいるが、投信には個別株と違って需給は関係ないと篠田氏は指摘する。基準価額が安いから狙い目だとか、高いから人気とはならないので注意したい。  また最近は、価格変動が大きくなった局面でリスクを抑える「リスク軽減型」と呼ばれるタイプの商品も人気だという。株と債券など反対の値動きをしやすい資産を組み合わせて相場の状況に応じて機動的に配分を変えたり、ヘッジファンドやオルタナティブなど相場環境に左右されにくい資産を組み入れることで、相場の下落局面でも下落幅を小さくしてくれるのだ。

<下落時にも頼りになる投資信託>

※データはモーニングスターから引用、5月20日現在 ●スパークス・新・国際優良日本株ファンド(スパークス・アセット・マネジメント) 基準価格       3万4366円 純資産総額      1249億4700万円 トータルリターン 1年 6.87% トータルリターン 3年 15.83% 信託報酬(名目)   1.77% 販売手数料(上限)  3.24%  入念な取材と調査で、高い技術力やブランド力を持つ日本株20銘柄程度に厳選投資。長期保有を原則とし、中長期にわたって収益を積み上げていく ●三井住友・中小型株ファンド(三井住友アセットマネジメント) 基準価格       3万5238円 純資産総額      221億4000万円 トータルリターン 1年 -0.37% トータルリターン 3年 19.54% 信託報酬(名目)   1.62% 販売手数料(上限)  3.24%  日本の中小型株の中から、割安な優良銘柄を選定。﹁10年以上にわたって参考指数である日経ジャスダック平均株価を上回っています﹂(篠田氏) ●ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(ラッセル・インベストメント) 基準価格       1万3929円 純資産総額      7億3300万円 トータルリターン 1年 5.87% トータルリターン 3年 / 信託報酬(名目)   1.19% 販売手数料(上限)  3.24%  日本を除く世界先進国の株式に投資。﹁インデックスを上回るアクティブファンドが少ないカテゴリーの中で、良好な成績を収めています﹂(篠田氏) ●投資のソムリエ(アセットマネジメントOne) 基準価格       1万1555円 純資産総額      1207億5200万円 トータルリターン 1年 3.73% トータルリターン 3年 2.23% 信託報酬(名目)   1.51% 販売手数料(上限)  3.24%  国内外の公社債や、株式、リートに投資、市場環境に応じて配分比率を変更する。基準価額の変動リスクを年率4%程度に抑えながら、安定成長を目指す 【篠田 尚子氏】 楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。国内銀行を経て、投信評価機関リッパージャパン(現トムソン・ロイター・マーケッツ)でファンドアナリスト。’13年より現職 取材・文/森田悦子
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