兼業は時間が限られており、一度に多くの銘柄を保有することは難しい。現在、弐億氏が運用しているのも6~7銘柄程度だ。
「分散投資は大切ですが、分散しすぎると儲からないし自分のペース的に追いかけられない。私は10銘柄いかないくらいがベストだと考えています。資産が500万円程度であればロットは100万円×3銘柄+余力200万円くらいが理想です」
買い付け余力の必要性について弐億氏は口をすっぱくして言う。
「余力を残しておらず、リーマンショックや東日本大震災の際には安くなった銘柄を買いたいと思っても買えないツラい時期を過ごしました。“買うために手持ちの株を売る”という悪循環に陥り、適切なタイミングではない売却を繰り返してしまった」
では、少数精鋭で最大限利益が出る銘柄を見つけるにはどうすればいいか。
「新規上場銘柄で株価が高くつかなかった直近IPO銘柄に着目しましょう。不人気IPOにこそお宝が眠っています。一応、PERなどの数値も気にはしますが、基本的にはなくファンダメンタルズ的な将来性。事業→業績拡大の可能性がある成長銘柄に投資します。どれだけ今が良くても、景気後退局面では業績が悪化するような景気敏感株は基本的に避けたい。また、小売りや外食産業も月次売り上げ報告に一喜一憂しなければならず負担が大きいです」
IPO時に不調な銘柄に注目!
IPO時の初値はマイナスを記録したものの、その後は安定したストックビジネスを展開。現在進行形で含み益を獲得している
そこでおすすめなのが、ストックビジネスを手掛けている将来性豊かな企業銘柄だ。
「ストックビジネスは、継続的な売り上げが見込めるという安定感があり、急変することが少ない。数値だけでは測れない成長率、“未来のPER”を見ましょう」
企業の成長性を見るには、決算説明資料と決算短信を活用する。
「決算短信で来期業績見通しを大まかに把握し、表やグラフが載っている決算説明資料で視覚的に再確認します。業績見通しは性善説で信じはしますが、決算短信は企業にいいように書かれていることが多く、コメントと数字が一致していないときもある。必ず両方を見るようにしてください」
そうやって見つけた今イチオシの銘柄が、プレミアグループ(7199)だという。
プレミアグループの決算資料。企業が要点を簡潔にまとめてくれているので、状況が視覚的に把握しやすい。有効に活用しよう
「プレミアグループは、中古車の割賦販売ローンを引き受けている企業です。中古車修理保証などの関連ビジネスが縦横に広がっていて伸びしろがあります。決算説明資料と決算短信を見ると、クレジット事業が17%増、ワランティ事業が15%増、整備事業が80%増でトータルでの営業収益は17%増と2桁の増収増益傾向にあります。株価の下支えにもなりますし、1桁成長になるまでは持っていても損はないでしょう」
最後に、今後伸びるであろう業界についても聞いてみた。