無関係の第三者によりプログラミング言語Pythonの商標が取られる!過去にはPerlなどでも発生

Pythonの名前の由来は……

 さて、最初の Python の話に戻ろう。このプログラミング言語の名前の由来は、イギリスのコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』から来ている。つまり、他の商標に乗っかっていると言えなくもない。  Python の開発者のグイド・ヴァンロッサムは、1996年に次のように書いている。 ”6年以上前の1989年12月、私はクリスマス前後の週の暇つぶしのため「趣味」のプログラミングプロジェクトを探していた。オフィスは閉まっているが、自宅にはホームコンピュータがあるし、他にすることがなかった。私は最近考えていた新しいスクリプト言語のインタプリタを書くことにした。(略)ちょっとしたいたずら心から(『空飛ぶモンティ・パイソン』の熱烈なファンだったというのも理由の1つ)、プロジェクトの仮称をPythonにした。”(参照:Foreword for “Programming Python” (1st ed.)|Python *訳は前出Wikipediaによる)  暇潰しに始めて、いたずら心で名づけたプログラミング言語が、世界的に普及した。そのため「そもそも Python は、『空飛ぶモンティ・パイソン』がごにょごにょ……」と、口を濁す人もいる。  世の中、何が起きるか分からない。適当に付けた名前が、世界中に広まってしまうこともある。命名には気を付けた方がよいだろう。
やない まさかず。クロノス・クラウン合同会社の代表社員。ゲームやアプリの開発、プログラミング系技術書や記事、マンガの執筆をおこなう。2001年オンラインソフト大賞に入賞した『めもりーくりーなー』は、累計500万ダウンロード以上。2016年、第23回松本清張賞応募作『バックドア』が最終候補となり、改題した『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』にて文藝春秋から小説家デビュー。近著は新潮社『レトロゲームファクトリー』。2019年12月に Nintendo Switch で、個人で開発した『Little Bit War(リトルビットウォー)』を出した。2021年2月には、SBクリエイティブから『JavaScript[完全]入門』、4月にはエムディエヌコーポレーションから『プロフェッショナルWebプログラミング JavaScript』が出版された。
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