インスタで80万件ヒットする噂のトレーニング「tabata」とは?

初心者は追い込まずともOK

「最大の効果をあげるためには、170%VO2MAXである必要がありますが、一般の方は自分の体力や身体の状態に合わせた強度で構いません。最初のうちは70%や80%くらいを目標にやってみてもいいでしょう。それでもある程度の効果が出ることが最近の研究でわかってきています」  また、運動機能の向上だけでなく、糖尿病などの予防にも効果があるという。  「昔から強度が低い、あるいは中くらいの運動=有酸素性運動を長時間やることが『健康に良い』と言われていました。もちろんそれは今も変わらないのですが、実は最近では『タバタ式トレーニング』のような短時間・高強度・間欠的(間に休息を挟むこと)な運動でも同様の効果があることがわかってきたのです。  その理由はGLUT4というタンパク質の存在です。GLUT4は糖尿病の予防や治療に大きな役割を果たすタンパク質で、タバタ式のような高強度インターバル・トレーニングがより短期間で増加させることができるということがわかってきました。また、大腸がんに繋がる前がん細胞を抑制する機序に関係があるSPARC(スパーク)を発現させるため大腸がん予防にも繋がることがわかってきました。GLUT4の増加などは3セット程度でも増加するため、6~8セット追い込むのが難しい人でも、糖尿病予防などのために行うのであれば3セットから始めてみてもいいかもしれません」  もちろん、それでも強度の高い運動なので、糖尿病や高血圧、過体重などで関節に異常がある方や疾病を抱えている方は医師との相談の上で行ったほうが良いのは言うまでもない。

実際にやる方法は?

 さてそれではどうすればタバタ式トレーニングを行うことができるのか?  実は田畑教授の前著である『タバタ式トレーニング』は、現在11刷を数えるロングセラーとなっているが、ロードバイクに乗る人が読者に多いという。  ヒルクライムレースなどにも参戦するアマチュアレーサーのHさんはこう語る。 「仕事をしていると、外を走る時間なども限られてしまうので、家でローラー台に乗ることが多くなります。その際にタバタ式で最後に追い込んでます」  このように、一定負荷をかけるには、固定式自転車やローラー台、あるいはトレッドミルなどがやりやすいようだ。  しかし、そうした器具を使うのはコストも時間も必要だ。そのため、田畑教授は日本女子体育大学の沢井史穂教授の協力を得て、誰もが自重で手軽にタバタ式を実践できるトレーニングを考案、最新刊の『噂のタバタトレーニング』で取り上げているという。その一部を紹介しよう。 「時間がない!」が口癖の人も、なんとか30分捻出して、世界のセレブも取り入れる「tabata」に挑戦してみてはいかがだろうか?
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