日経平均が値下がりしたら2倍の利益!? ダブルインバースのからくりと注意点とは?
日経平均は平成最後の4月相場で2万2000円を回復したものの、その後下げ調子。米中衝突で主要通貨も下げ基調。買えば儲かる金融商品はまず見当たらない。こんな状況で稼ぐには?
カラ売りとは異なるが、相場が下げるほど利益が出る金融商品もある。その代表例が、「日経平均ダブルインバース」などのETF(上場投信)。反対を意味する「インバース」とつけられているように、日経平均が下落するほど、値上がりする商品だ。「ダブルインバース」ならば、文字どおり日経平均が100円下落した場合には200円上昇する。
「日経ダブルインバースは、単純に日経平均先物を2倍売っているんです。投資家から100万円の買い注文が入ったら、200万円分の日経平均先物の売りポジションをつくって、日経平均の下落率に対して2倍の上昇率になるよう運用しているのです」(証券関係者)
日経平均でなく、TOPIXと逆行する「TOPIXダブルインバース」や「JPX日経400インバース」など、さまざまな商品があるので、国内の個別株を買い持ちしている投資家はインバースを活用してリスクヘッジするのもいいだろう。ただし、長期保有には向かない点には注意したい。
「インバースは減価していくもの。10%上がった次の日に10%下がればトントンと思えますが、2万円で10%上がったら2万2000円。そこから10%下がれば、1万9800円となり、2日間で1%減となってしまうんです。ダブルインバースならば2倍なので、さらに減価しやすくなる。日経平均が10%下落した翌日に10%上昇したら、ダブルインバースは2万4000円へと20%上昇した後、1万9200円への20%下落する。2日間で4%減となってしまうのです。相場は一方向に動かず、必ず上下動を繰り返すために、このように少しずつインバースの価格は減価していく」(同)
また、時に実際の日経平均株価から大きく乖離してしまう点にも注意。
「’15年のチャイナショックのあとには暴落時に利益を伸ばせる商品として、日経ダブルインバースが人気化。買いが殺到して、原資産(日経平均)とダブルインバースの取引価格が7%以上も乖離する場面がありました」(大手証券のインデックストレーダー)
ダブルインバースに買いが集中しすぎると、日経平均に対して2倍以上の上下動を見せるときがあったのだとか。実際、今でも「ダブルインバース」や「日経レバレッジETF」など、通常の2倍の値動きを見せるETFは日々の出来高上位の常連銘柄。投資信託などがベンチマークにする日経平均やTOPIXなどの代表的な指数に対して、簡単に2倍のパフォーマンスを獲得できてしまう点に人気の秘密がある。先物やオプションに抵抗がある人は、短期売買でインバースを試してみるのもいいだろう。
1 日経平均と真逆に2倍の値動きがある
2 毎日少しずつ減価するため長期投資には不向き
3 人気化した際には原資産と価格が乖離することも
日経平均が値下がりしたら2倍の利益を生むカラクリ
<インバースの注意点>
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