苦境のドワンゴから分離したWebメディア、「電ファミニコゲーマー」の良質な「濃さ」

ニッチで濃いメディアの収益化

 ネット経由で無料でコンテンツを提供する際、その収益化方法はいくつかある。代表的なのは、Google AdSense などのWeb広告だろう。ページ中に広告を掲載して収益を得る。また専門メディアなら、その業界の企業に広告を直接出稿してもらうという手もある。こうした広告による運用は、紙の雑誌でもおこなわれている。  他の方法としては、アフィリエイトがある。あるジャンルの記事を書き、そのジャンルの商品を販売する。商品を直接紹介するアフィリエイトサイトも多い。もちろん、自社で売るべき商品を持っている場合は、直接それらを販売するという手もある。グッズなどを作り販売するのも、こうした部類に入る。  メディアとしての理想は、有料記事が売れるというものだろう。しかし、全てを有料にすると、新規ユーザーの獲得が困難になる。無料と有料の記事を織り交ぜる、あるいは、ある部分までは無料で見せて、続きは有料にする。新聞系メディアなどは、この方法を採用しているところが多い。  今回、電ファミニコゲーマーが募集しているパトロンの募集は、定期的な募金による資金獲得だ。個人が中心になった募金ではあるが、法人がスポンサーとなる場合も同じ範疇に入る。オンラインサロンなども同類と見なすことができる。  近年、クリエイターに対するパトロン サービスが盛んになっている。「Enty」「ファンティア」「pixivFANBOX」、クラウド ファンディング サイト「CAMPFIRE」による「CAMPFIREコミュニティ」。電ファミニコゲーマーの「世界征服大作戦」は、この CAMPFIREコミュニティを利用している。

単発的支援から継続的支援へ

 クラウドファンディングから、パトロンサービスへの近年の流れを見ると、単発的な支援から継続的な支援への変化を感じる。商品を作るというゴールが明確なプロジェクトではなく、人やチームが継続的に産み出すコンテンツを見たいという欲求だ。モノからヒトへ。”メディア”という特性から考えると、そうした定額課金や支援という形は、今後も増えていくのではと感じさせられる。  また、そうした支援が広がれば、Webメディアの形態も変わるだろう。現在、Webメディアの多くは、ページ分割により広告の露出回数を増やす戦略を採っている。広告という収益手段に表現手法が縛られているわけだ。電ファミニコゲーマーでは、そうしたPV稼ぎを否定するような超ロングインタビューが掲載されている。  細切れのWebの記事ではなく、読み応えのある記事を読みたい。そうした需要は、自分自身の体験からも一定数あると感じている。広告費以外の収益化方法を模索することが、媒体の自由度を上げる道になる。そうした意味でも、電ファミニコゲーマーの試みは注目している。
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