新潟選挙区で、安倍首相と枝野代表の対照的な“応援演説バトル”。どちらに軍配が上がる!?

農業、介護、保育への予算拡充を訴えた

枝野代表の応援演説

枝野代表は、アベノミクスから草の根経済への転換を訴えた

 農業政策では、民主党政権時代の戸別所得補償制度の復活を訴えた。 「農業は単なる金儲け、単なる国際競争ですか。土地を守り、水を守り、緑を守り、そして国民の安心安全な食を支えているじゃないですか。その農業を安定して営めない国に未来があるはずがありません。しっかりと戸別所得補償制度で、農業と農家をしっかりとしていきましょう」  続いて枝野氏は、都市と地方の格差拡大を招いたアベノミクスから、草の根経済への転換を訴えた。 「介護職員の皆さん、保育士さん。『少子高齢化が問題』と言われながらも、低賃金で重労働、人手不足。そして都市と地方の格差がどんどん広がっている。先日、青森の保育所に行ったら、保育士の方が資格を取っても首都圏の保育所にどんどん取られてしまう。  新潟もそうじゃないですか。今は保育士さん、次が介護職員さん、看護士さんです。財政力のある中央が、都市が、その財政力を背景に、人手不足の分野に『お金をもっと出すから来てください』と言って。  高齢者は地方にいる。地方でも子育てができないといけないのです。医療や介護や保育や、日本中どこに住んでいてもしっかりとしたサービスを受けられないとならない。それなのに財政力のある都市に、どんどん人が引っ張られる。  若い人は取られるわ、高齢者の介護は任せられるわ、こんな国でいいのですか。しっかりと、こうした仕事を支えていく。そのための予算はもっと国が拡充をして、地方にそのお金をしっかりと流していこうじゃありませんか。  農業や介護や保育は、必ずその土地と結びつかないとできない仕事です。そうした皆さんの所得を底上げして、そうした皆さまが地域でお買い物をすることで、地域の経済が回り始めるのではないですか。  そういう草の根からの、一人一人の家計からの経済へと切り替えていけば、もっともっとこの国は良くなる。皆さんがもっと豊かさを実感できる国に、この選挙を通じて変えて行こうじゃありませんか」

上のほう、強い者ばかり見ている“忖度政治”を終わらせる

 そして最後にこう結んだ。 「まさに(与党は)上のほう、強い者ばかり見ている、その原形の忖度政治の象徴として新潟が注目をされています。一方の打越さくらさんは、一番厳しい立場にある人たちを支える弁護士を一生懸命やってきた。どちらが、あなたの側に寄り添える政治家なのか。答えははっきりしているのではありませんか」  枝野氏は最後に立憲民主党誕生当時の決め台詞「あなたの力が必要です」を連呼、演説を締めた。 「この選挙を勝ち抜くためにはあなたの力が必要です。あなたの力が必要です。あなたの力が必要です。ぜひ、皆さんの力を結集して長岡から新潟から、一人一人が真の豊かさを実感できる新しい時代を切り開いていきましょう」  参院選新潟選挙区で、対照的な応援演説を行った安倍首相と枝野代表。どちらに軍配が上がるのだろうか。 <取材・文・撮影/横田一>
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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