初っ端「宮城県」を「愛知県」と言い間違え、以降は嘘だらけ
まずは愛知次郎候補の応援演説で
宮城県を愛知県と言い間違えるという痛恨のミスからスタートした三原じゅん子。
このあとは言い間違いではなく、「相手候補のことを調べた」と言いつつ、言ってもないことをさも石垣のりこ候補が言ったかのような、「デマ」とも言える発言を連発し始める。
1:相手候補は消費税を撤廃すると言っており、これはつまり、福祉ということに関して、低くていい、社会保障のサービスは低くていい、と言っている。
判定:虚偽。
石垣候補の政策は本サイトでも既報だが、まず消費税減税もしくは撤廃に伴う代替財源としては、過去の税収推移において消費税税収増の一方で法人税や所得税がそのままとなっており、消費税増税分が法人税や所得税の「肩代わり」になっていると指摘している。所属が低いほど税負担が高くなる「逆累進性」を有する消費税などは、撤廃をした場合でも企業と高所得者から徴収しるというまっとうな累進性を持った税制にすれば良いとしており、財源を減らすとか、福祉や社会保障は下げるとは一切言及していない。
また、社会福祉政策についても、愛知候補がその政策パンフレットの中で、”子育て支援や教育改革に取り組み、子供たちが未来に夢を描ける、子供たちに胸を張れる政治”やなどと触れている以外は、介護や年金の問題にも触れられておらず、具体的な政策に欠けていることはすでにお伝えした通り。
反面、石垣候補は少子高齢化対策として、「子供を育てる環境作り」を掲げ、そのためにまずは大人が「余裕」を持てる社会づくりとして、賃上げを筆頭に、教育や保育従事者の就労環境改善という具体的な施策を掲げている。
2:10月から3歳から5歳の子供たち、すべての子どもたち幼児教育保育の無償化が始まる。
判定:一部事実だが、入園できた児童が対象なわけで「すべて」ではない。
幼児教育・保育を無償化の改正子供・子育て支援法が施行されるのは事実。無償化に必要な財源は7764億円で消費税引上げ分で充当するとされている。しかし、無償化の前に待機児童の問題などは依然として残っており、このまで行けば待機児童を抱えて保育園などに入れられない世帯はその恩恵に預かることなく、不公平感が増すだけだと言われている。
実際に、育児世代からは「無償化より保育士不足解消や保育施設を増やしてほしい」という待機児童対策を望む声も少なくなく、過去にはインターネット署名サイトでは3万人超の賛同者を集めている。
3:こうしたことも必要ないとおっしゃるのでしょうか?
判定:虚偽。石垣候補は言っていない。
問いかけのような体裁を装っているが、言っていないことをあたかも言ったかのように印象操作するのは卑劣としか言いようがない。
4:石垣候補は「日本は先進国の中で一度も日本は先進国の中でこの30年間、一度も賃金が上がったことがない」と言っている
判定:虚偽。言ってない。
石垣候補の政策パンフレットでは、「G7各国と日本の賃金上昇率を比較すると、日本の賃金だけが30年間ほとんど上昇していません」と書いてある。これを「一度も賃金が上がったことがない」というのは、政治家としての能力以前に、基本的な読解力に難があるとしか言いようがない。
宮城県の石垣候補の予想外の善戦。それは、彼女が夢物語を語っているからではない。3代政治家の世襲に甘んじているのか、何ら具体的な政策を打ち出さずに選挙戦に挑んだ愛知候補に比べ、具体的かつエッジの利いた政策を打ち出す石垣候補の訴えに耳を傾ける人が多いからではないか? そして、三原は「選挙になるとうまいことを」というが、消費税増税やイージス・アショア配備の問題、さらには北方領土政策にアベノミクスの失敗など、ありとあらゆる不都合な真実を語らない自民党はどうなのか?
ただただ候補者に関する「デマ」を吹聴する三原の応援演説に、まさしく「やってる感」と「隣国への敵対感情を煽ること」だけで支持を維持しようとする安倍政権ひいては自民党の卑劣な姿が重なってならない。三原じゅん子こそ、「恥を知る」べきだろう。
<文/HBO編集部>