オーナーヘルプ制度が使えず、親族の葬儀すら途中で抜けなければならなかったオーナーもいる。畑日出男さん(57)は、北海道小樽市で1992年から15年間、セブンイレブンを経営していた。
「契約する前、24時間365日営業しなければならないことに不安を感じていました。しかし社員から『オーナーヘルプ制度は冠婚葬祭だけでなく、旅行でも使うことができる』と言われたので、安心して契約しました。
しかし結局制度を使うことはできませんでした。結婚後に新婚旅行に行こうと思って申請したのですが、却下されました。本当は海外に1週間から10日くらい行く予定でしたが、断念し、3泊4日の国内旅行に切り替えました。その間、姉に頼んで深夜勤務をしてもらいました。
祖父が亡くなったときも、ヘルプ制度を使うことができず、通夜を抜けて勤務しました。実母が亡くなったときはさすがに使えるだろうと思ったのですが、『深夜は使えない』と言われました。私は施主でしたが、仕方なく通夜を抜けてコンビニに戻りました。世界にたった一人の生みの親の通夜すら中座することになり、ものすごく情けなく、親不孝だと感じました」
畑さんは、契約を更新することなくオーナーを辞めた。セブンイレブンは「自分たちのことしか考えていない」と今振り返っても怒りが湧くという。
<取材・文/HBO編集部>