「路上で酒を飲ませろ」渋谷区の路上飲酒規制条例反対デモを直撃

「区長が特に必要と認める期間」とはいつなのか

「守る会」の行動は功を奏さず、6月19日には条例が成立した。「この条例には数々の問題点があります」とメンバーの和田拓磨さん(20代)は話す。 「第6条の(3)では、『区長が特に必要と認める期間』も飲酒を規制するとしています。しかしどのような時に禁止されるのか明確な規定がありません。区長の裁量で私たちの自由な活動が制限されるのは問題だと思います」  また、この条例では、飲酒以外の様々な行為が期間の定めなく禁止されている。第7条の(1)で禁止されたのは、「音響機器等により音を異常に大きく出す行為」。しかしどの程度の大きさの音なのかははっきりと定められていない。区域ごとに昼は何デシベルまで、夜は何デシベルまでと定められている騒音規制法とは対照的だ。  第7条の(3)では、「他人に迷惑を及ぼす行為又は危害を及ぼすおそれのある行為」が禁じられている。これもどのような行為が当てはまるのか明示されておらず、条文が拡大解釈される危険性がある。

今後は罰則が設けられる恐れも

 いずれは条例に罰則が設けられる恐れもある。山口さんによると、6月10日の区議会・総務委員会では、「罰則については今年の様子を見て考える」という発言があったという。  そもそもハロウィンで問題になった痴漢や暴行、さらに店舗を破壊するといった行為は全て今ある法律で取り締まることができる。こうした条例を新しく作る必要はないのだ。 「守る会」は、今後も同条例への反対を続けるという。今月も街頭宣伝を行い、渋谷区議会の秋議会の開催に合わせて再度デモを行う予定だ。 <取材・文/中垣内麻衣子>
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