▶SP版
HOME
政治・経済
社会
国際
科学
カルチャー・スポーツ
ハーバー・ビジネス・オンライン
国際
降りしきる雨の中、悲しく響いていた抵抗する若者たちの賛美歌<大袈裟太郎的香港最前線ルポ2>
降りしきる雨の中、悲しく響いていた抵抗する若者たちの賛美歌<大袈裟太郎的香港最前線ルポ2>
2019.06.30
大袈裟太郎
バックナンバー
弾圧は抵抗を呼び、抵抗は友を呼ぶ
その日への胎動。SNSが市民を強くする
13日、香港は朝から大雨だった。 前日の喧騒が嘘のようにバリケードも早朝に撤去され、案外あっさりと交通も回復していた。2014年の雨傘運動の時、オキュパイドが長引き地元の商店から苦情が出たことから抗議者側も学んだのかもしれない。 残されたのは昨日のカオスが産んだ大量のゴミだったが、若者たちは淡々とそのゴミを片付け、まだ使えるヘルメットやゴーグルをより分けていた。
13日朝、雨の香港
12日のデモ翌日の様子
催涙ガスの皮膚からの影響を防ぐために市民たちが撒いたラップの残骸
催涙ガスを浴びた市民に配布された目薬
立法会周辺は警察が完全に封鎖し、厳しく規制していた。 沖縄から駆けつけた友人のジャーナリスト、LEEJと合流。幾つもの言語を操る彼にはその後、何度も助けられることとなった。 午前中、立法会へ向かう立体回廊では、バリケードを挟んで市民と警察隊の対峙が続いていた。 当然のように警察隊の手には銃があった。
この日も立法会の審議は中止になったが、現場は一触即発という雰囲気だった。
危機を煽るだけのエセ保守の二枚舌
審議中止を受けて日本の虎ノ門系似非保守たちが「よくやった!」などとSNSで宣ったが、こっちじゃ催涙弾を避けながら中学生が走り回っているのだ。 中国が攻めてくるなどと普段、威勢良く叫んでいる彼らが、実際にはいかに役に立たない机上の存在なのか。危機を煽ることをビジネスにしている卑小な存在か、身体で痛感した。 「大袈裟太郎を見直した」などという言説も何とも空虚で、吐き気がした。 「きみらがおれを見直そうがどうしようが、おれはとっくにきみらを見放しているよ」と叫びたくなった。 まして、私の行動は沖縄でしていることと何も変わらないのだ。 いつも辺野古の座り込みに「道交法違反だ」などと言っている連中が、抗議の相手が中国になった途端、全てを賞賛する。 ダブルスタンダード極まれりだ。 二枚舌もほどほどにしろ。 右か左かで考える時代はもうとっくに終わっている。国家の権力か個人の権利か、の時代なのだ。 あの催涙弾の匂いを嗅げば、一瞬で気づくはずだ。
次のページ
沖縄で投げつけられた「呪いの言葉」を解いてくれた香港の外国人記者クラブ
1
2
3
前回の記事
沖縄の最前線にいた男が見た「香港200万人デモ」
2019.06.26
一番最初の記事
前の記事
次の記事
大袈裟太郎的香港最前線ルポの一覧へ
ハッシュタグ
 大袈裟太郎
 民主主義
 逃亡犯条例改悪反対デモ
 香港
Twitterでつぶやく
Facebookでシェア
B!
ブックマークに追加
Tweet
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事
ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ
コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力
頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界
ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>
仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響
漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋
上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法
64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉
再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今
微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望
新着記事をもっと見る