プレゼンや日常会話をうまく進める「BIGPR」。一番重要なのはどれ?
一人を相手にした対話でも、多数を前にしたプレゼンテーションでも、話の冒頭で「BIGPR」を実施すると、相手の関心度・集中度を高めたうえで、対話やプレゼンテーションを進めやすくなる。
BIGPRとは、以前も当連載で紹介したとおり、対話やプレゼンテーションの背景と自己紹介、目的と時間配分、そして、相手に期待する役割を簡潔に伝えることだ。
B:Background:背景
I:Introduction:自己紹介
G:Goal:目的
P:Period:時間配分
R:Role:相手に期待する役割
筆者がこのBIGPRの演習をしていると、その参加者が最も伝えづらいと言ったり、ロールプレイングで抜け落ちてしまうのが、BIGPRの「R」=「相手に期待する役割」だ。
対話やプレゼンテーションのはじめに、自己紹介や目的を伝えることは実施していても、その対話やプレゼンテーションをすることになった背景を語ったり、あらためて時間配分を示したり、特に「相手に期待する役割」を伝えることは、あまり実施していない人が多い。
相手に期待する役割を省いてしまった演習参加者に、その理由を聞いてみると、大きくわけて2つの理由があることがわかった。
ひとつ目の理由は、その対話やプレゼンテーションの目的と、「相手に期待する役割」との区別が明確になっていない場合だ。
例えば、上司が部下の業務の進捗状況を把握する、月に一度の面談をする場面を想定しよう。「目的」は今月の業務進捗状況を共有することだ。「目的」と「相手に期待する役割」の区別が明確になっていない場合は、「相手に期待する役割」も、今月の業務の進捗状況を共有してもらうことなので、同じことなのではないかと思ってしまい、省いてしまう事例が多い。
この場合、「相手に期待する役割」とは、例えば「遠慮しないで、ありのままを言ってほしい」ということであったり、「評価することではなく、上司として支援できそうなことを見極めるための面談なので、仮にうまくいかなかったことがあっても伝えてほしい」という内容になる。
「目的」で、その対話やプレゼンテーションの目標を明確にしたうえで、「相手に期待する役割」では、まさに相手にどのような気持ちや姿勢で参加してほしいかということを相手の視点に立って伝えるのだ。
実は、この「相手に期待する役割(R)」については、自分の言いたいことを伝えるのには長けているが、相手の言っていることを聞いて理解することに慣れていない人は、省略してしまうことが多い。
しかし、視点を相手の立ち位置に変えて、「相手に期待する役割」を話すことを実行し続けてみると、相手を巻き込みやすくなっていることに気づくに違いない。
「BIGPR」で抜け落ちてしまいがちな「R」
立ち位置を変えて「相手に期待する役割」を話す
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