「あなたの自由主義をはかる」? 米から上陸、「政治クイズサイト」の謎
公職選挙法が改正され、ネット選挙運動が解禁されて6年。日本でも候補者がSNSなどを活用するケースが増えた。そして参院選を直前に控えた今、米国からあるサイトが上陸していた!
参院選を直前に控え、全国紙のウェブ版などのネット上で最近、アヤシイ広告が出現している。
「あなたの自由主義をはかる」――安倍首相の顔写真とともにこんなコピーが付いたバナーをクリックすると、別サイトに飛び「2019政治クイズ」というアンケートページへ誘導される。
アンケートの内容は、社会や環境、経済などさまざまな社会問題について回答者の立場を問うものだ。例えば、移民への対応、女性の社会進出、外国人参政権、死刑制度や安楽死、遺伝子組み換え食品、富裕層への増税の是非などなど。30ほどの質問に答えていくと、最後に回答者の考えと親和性の高い順にランキングされた日本の政党が表示されるのだ。
この政治クイズサイトは「iSideWith」という名前で、日本やアメリカだけでなく欧州各国やロシア、南米、アジアの36か国(26言語)で展開している。それぞれの国で争点となっている政策や制度などに関する賛否を問われ、やはり最後に回答者との親和性の高い順に政党や選挙候補者がランキングされる点は共通している。
ちなみに本国アメリカでは5000万人以上が回答したとサイトには記されているが、一方の日本版の回答者は5月22日時点で、約4万3000人。少ない気もするが、新聞・テレビが行う世論調査の対象者が1000人程度であることを考えれば、前例のない規模の政治アンケートといえる。
同サイトは、「どの政党、候補者、利益団体にも所属・提携していません」と主張している。確かにサイト内には、広告なども掲載されていない。とはいえ、広告費を投じて他媒体に出稿している以上、営利目的であることは確かだ。しかし、同サイトがどのようにして収益を上げているのか、まったく見えてこない。
サイトの設立者としては、ニック・ブテリエルとテイラー・ペックという2人の名前が書かれてあるが、彼らのツイッターアカウントは2年以上、更新がない。取材班は、iSideWithや2人にツイッターやメールを通じて取材を試みたが、返事はもらえなかった。
移民や死刑制度に対するアンケートに答えると……
データを匿名化して販売している?
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