日本はアメリカにとって、“巨大なイージス駆逐艦”!?
新屋演習場の視察に続いて、近隣住民との意見交換会に臨んだ野党議員
そして先述の『日曜討論』では、共産党の小池書記局長が「なぜ新屋ありきなのか」という謎解きに役立つ論文を、次のように紹介していた。
「(防衛省が調査報告書で)なぜ、こんなズサンなことをやったかと言うと、結局、最初から『秋田の新屋と山口のむつみ(陸上自衛隊演習場)ありき』ということじゃないですか。
なぜ山口か。なぜ秋田か。結局、『北朝鮮の北部からハワイに向かって飛ぶミサイルは概ね秋田の上空を飛ぶ。グアムに向かって飛ぶミサイルは概ね山口の上を飛ぶ』ということで、防衛省は『違う。日本を守るためだ』と言うが、陸上イージスの射程距離は2500kmだから、どこに置いても日本を守れるわけで、秋田と山口に置く理由はない。
これは安倍政権とも関係が深い『CSIS(戦略国際問題研究所)』という(米国民間)シンクタンクの論文ですが、これに何と書いてあるかというと、『太平洋の盾』『“巨大なイージス駆逐艦”としての日本』。中を見ると、『アメリカのハワイやグアムや東海岸の基地を防護できる』(とある)。
アメリカの基地を守るために、住民の声も耳を傾けずに、ミサイルを撃ち落せるのかもわからないのに6000億円以上も使う」(小池書記局長)
実はこの点は昨年8月、9月の段階で当サイトで
牧田寛氏(
@BB45_Colorado)によって指摘されていた点だ。
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“米軍迎撃シミュレーションから垣間見える、イージス・アショア日本配備計画の「不自然さ」”|HBOL
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“「誰がためのイージス・アショアか?」配備地から導き出される、ある推論”|HBOL”
あらゆる点から見ても、日本の本土防衛のためには秋田と山口は不的確なのである。
日本にイージス・アショアを買わせれば、米国は「10億ドルを節約できる」
「Shield of the Pacific: Japan as a Giant Aegis Destroyer(太平洋の盾:“巨大なイージス駆逐艦”としての日本)」と銘打った、米国民間シンクタンクの論文を去年8月にフェイスブックで紹介したのが、福留高明・元秋田大准教授だ。そこには、Thomas Curako上級研究員が発表した論文の、4つの要点が次のように列挙されていた。
①日本に2箇所のイージス・ショア拠点が実現すれば、太平洋地域のミサイル防衛能力を増強する重要な第一歩となるだろう。そして、その潜在的可能性は計り知れない。
②今日、アジア太平洋地域におけるミサイルの脅威は多種多様であり、日米の共同防衛体制もその状況に対処しなければならない。両国間においていくつかの変化が進行中で、いまや日本は“巨大なイージス駆逐艦”としての役割を構築しようとしている。
③今回、秋田・萩に配備されるイージス・アショアのレーダーは、米国本土を脅かすミサイルをはるか前方で追跡できる能力をもっており、それによって、米国の国土防衛に必要な高額の太平洋レーダーを建設するためのコストを軽減してくれる。このことは日米同盟を強化するだけでなく、そのレーダーを共有することでおそらく10億ドルの大幅な節約が実現できる。
④現在、米国本土についてはGMD(米本土防衛システム)によって長距離弾道ミサイルの攻撃から守られている。一方、ハワイ基地・グアム基地・東海岸などの戦略拠点は攻撃から手薄な状況に置かれている。しかし、日本やNATOのイージス・アショア配備計画によって、これらを利用することにより、かかる問題を解消できる見通しがついた。
これは、イージス・アショア配備の“本当の狙い”を浮き彫りにする、日本人必読の論文ではないか。米国に「NO!」と言えない安倍首相が、トランプ大統領に“米国製兵器の爆買い”を迫られてイージス・アショア購入を決定、そのツケが秋田県民と山口県民をはじめとする日本国民につきつけられている。
<取材・文・撮影/横田一>