景気後退局面では「テーマ選び」を重視せよ。気鋭のアナリストが注目する「テーマ」は?
新時代は米中の貿易戦争で幕を開け、市場には下振れ圧力が高まっている。だが、悲観することなかれ。そんな過酷な条件下でも、爆上げが期待できる銘柄は常に眠っているからだ。今回、カリスマと呼ばれる相場師たちの厳選銘柄をこっそり聞いた。
過去数十年にわたる膨大な株価データを解析し、弱気相場にあっても、戦略的に利益を叩き出すことのできる「システムトレード」。平均売買代金や終値と移動平均線の乖離率など、いくつかの条件でスクリーニングをかけ、独自の“必勝パターン”を追求する投資顧問会社・フェアトレードの田村祐一氏は、現在の市況を「昨年10月の2万4000円台をピークに下落のトレンドに入ったと見ていい」と分析する。
「これまでは自分が欲しい銘柄を長く持っていれば勝手に上がる……という相場だったが、今後は、期待値の高い銘柄でも全体に引っ張られるため値下がりの圧力がかかり、銘柄選びはさらに難しくなるはず。そこで、重要になるのはテーマ選び。なかでも、クラウドシステムを手掛ける業界は今後も上昇が期待できる。これまでのシステム会社は、売ったら売りっ放しのフロー型だったが、開発したものを売り切るのではなく、月額課金制で企業に販売している会社が多くなっています。このところ、ようやくクラウドシステムの導入が本格化したため、今後の伸び代も大きく、大企業や官公庁に強いネットワンシステムズや、業務効率化ソフトウェアの草分けでもあるサイボウズ、さらには、激変の調剤薬局業界のシステム開発を行うイーエムシステムズは期待していい」
厚生労働省によると、’16年度末時点の国内薬局数はおよそ5万9000店と、約5万5000店あるコンビニより多い。規制に守られ膨張し続けてきたが、薬剤師の人材不足や薬価引き下げなどの医療制度改革が進むなか、集約化が進んでおり、業界のクラウド化は喫緊の課題となっている。
「ほかにも、賃貸物件オーナーや商業施設向けにWi―Fiサービスを提供しているファイバーゲートは注目しています。訪日外国人が年々増加傾向にあり、’20年には東京五輪開催を控えていることから、Wi―Fi環境の整備が急務となっていることが背景にある。直近で業績の上方修正を行うなど事業環境は絶好調に推移。現在はマザーズですが、東証1部昇格を狙っているのでその勢いも買い材料だと思います」
玉石混交の来店型保険代理店を運営する企業も要チェックのようだ。
「アイリックコーポレーションは、個人個人に見合った保険をシステムで分析して提供しているユニークな会社で、セールスポイントはAIを駆使して最適化させたような検索システム。扱う商品に縛りはないから、顧客とウィンウィンになるかたちを実現させている。上場して間もないが、広告を仕掛け認知度も上がっており期待できる」
大きく下がった銘柄のリバウンドを狙う戦略も有効だという。仕込み時のタイミングを計るのがよさそうだ。
景気後退局面でもファンダルメンタル分析で利益は出せる
機が熟したクラウド業界は下げ相場のトレンドでも力強く伸びる可能性大
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