結局、安倍総理は
「マクロ経済スライド」という言葉を9回も連呼して説明し続け、100年安心の根拠として0.1%の増額改定を挙げたが、これは年金支給額が月5万円の場合、
月50円(=5万円×0.1%)の増額に過ぎない。蓮舫議員が「
言い訳じみている」と一刀両断したのも無理はない。
また、質問に答えない安倍総理に対して野党議員が抗議の声をあげると、総理は
厚顔無恥話法を繰り返した。この厚顔無恥話法は
最近の総理答弁の大きな特徴となっており、昨年末の入管法の質疑においても散見された。その様子は以下の動画で確認できる。
山尾志桜里議員vs山下法相&安倍総理 2018年11月26日(入管法強行採決前日) 衆議院予算委員会(動画の
3分2秒~)
有田芳生議員vs山下法相&安倍総理 2018年12月6日(入管法強行採決前日) 参議院法務委員会(動画の
1分54秒~)
これらの共通点は、質問と関係ない話を延々と続けて、耐えかねた野党議員が抗議の声をあげると「待ってました」と言わんばかりにオーバーリアクションで反応し、あたかも野党議員が答弁を妨害する悪者で、総理は被害者であるかのように装う。そして、総理の発言(野次はやめてください、冷静に議論しましょうよ、など)だけを切り取った映像がテレビに流れることで、「真剣に答弁をする安倍総理」と「答弁の邪魔をする野党」という事実とは異なる印象を視聴者に与えている。
この子供騙しへの対抗策は、国会質疑をノーカットで見ることに尽きる。
幸い、ご飯論法の考案者でもある上西充子教授が代表を務める
国会パブリックビューイング(
YouTubeチャンネル)や、筆者が信号無視話法分析を公開しているYoutubeチャンネル「
赤黄青で国会ウォッチ」は共に、1つの場面をノーカットで流している。
この国の政治のレベルを著しく引き下げているのは誰なのか、判断に役立てて頂きたい。
<文・図版・動画作成/犬飼淳 TwitterID/
@jun21101016>
いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。最近は「赤黄青で国会ウォッチ」と題して、Youtube動画で国会答弁の視覚化に取り組む。
犬飼淳氏の(
note)では数多くの答弁を「信号無視話法」などを駆使して視覚化している。また、同様にYouTubeチャンネル(
日本語版/
英語版)でも国会答弁の視覚化を行い、全世界に向けて発信している
TwitterID/
@jun21101016
いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身の
noteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。
noteのサークルでは読者からのフィードバックや分析のリクエストを受け付け、読者との交流を図っている。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(
日本語版/
英語版/
仏語版)で国会答弁の視覚化を全世界に発信している。