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ベトナム戦争の爪痕である南北格差

 言うまでもなく、ベトナムではかつてベトナム戦争があった。ここで注意すべきは、米国に勝ったのは「北ベトナム」であるということだ。現在の朝鮮半島と同じく、ベトナムもかつて南北に分かれており、米国は南に肩入れしていた。しかし、米国が撤退し、北が南を征服した。宮内はそんな「南ベトナムの友人」からこんな話を聞かされたという。 「北ベトナムの軍人はレコードを知らなくて、料理の盛り付け用の皿にしたんだって。そう南ベトナムの軍人だったお父さんが言っていた」  筆者も似たような話を聞いたことがある。場所は台湾だ。 「国民党の軍人は、水道を初めて見て“壁から水が出てくるこんな便利なものがあるのか、と感動した。それで金具屋に行き、水道の蛇口を買ってその辺の壁に刺したが、水が出てこないと激怒していた」  どちらも真偽はわからない。確かなことは、「文明人が野蛮人に征服された」、その怨念をそういった小話を伝えることでしか昇華できない、ということだ。

経済性も国民性も異なる南北ベトナム

 実際、今でも一人あたりGDPでは南の旧サイゴン、現ホーチミンはハノイの約1.5倍を維持していて、ハノイからの出稼ぎも少なくないという。 「南北の違いはいまだに大きいです。タカさんが行けばもう一発でわかるくらい違います。あと、人間性についても“ハノイ人は親切ではない”とハノイ人も言いますからね。ホーチミンのほうがいいですね。僕はそれほど言葉が達者ではありませんが、ハノイとホーチミンでは発音も全然違うみたいです。北側は米軍の北爆でインフラが完全破壊されましたから、外資系企業が来るときもまずはホーチミンを目指しますよね。だからいまだに経済格差が続いているということだと思います」  ということで、この原稿を書き終えた直後、筆者はベトジェットの機上の人となる。次回は、ベトジェット100円セールの実態、そしてハノイの実情をレポートすることとしたい。 【タカ大丸】  ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。
 ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。
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