予防医学研究者の石川善樹さん
日本人の睡眠時間は、諸外国と比べて短いことで知られている。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本人の睡眠時間は平均で1日442分、7時間22分。加盟国中、最下位だ。
最も睡眠時間が長い南アフリカでは553分と9時間近くも寝ていることになる。アメリカやフランスも、それぞれ525分、513分と8時間以上は眠っていることがわかる。
こうした日本人の“睡眠不足”に取り組むべく、マットレスメーカーの
コアラスリープは6月7日、都内で睡眠講座を開催した。
6時間未満しか眠っていないと脳の老化が2倍のスピードで進む
厚生労働省の調査でも、日本人の睡眠不足が明らかになっている。6時間未満しか寝ていない人の割合は、40代男性で48.5%、50代男性で44.9%だ。40代女性でも52.4%、50代女性でも51.6%となっている。
しかし予防医学研究者の石川善樹さんによると、6時間未満しか眠っていないと健康に悪影響があるという。
「もちろん個人差はありますが、6時間睡眠の人は7時間睡眠の人と比べて、脳の老化が2倍のスピードで進むという研究結果が出ています。脳の老化が進むと、認知機能が衰えてしまいます。また、6時間睡眠を続けていると、ビールの大瓶1~2本を飲んだのと同じ状態になるといわれています」
また眠っている間は、最初の3時間で「脳の疲れ」を取り、次の3時間で「体の疲れ」を取っているという。「心の疲れ」が取れるのは、眠り始めてから6時間以降のことだ。さらに記憶を定着させるのも6時間以降だという。つまり6時間未満しか眠っていないと、「心の疲れ」も取れず、忘れっぽくなってしまうのだ。