ついに「CHIKAN」を国際語にした日本の男尊女卑文化<モラ夫バスターな日々15>

モラ夫ほど、不貞が多い

 さて、冒頭の男性に戻ろう。「証拠あんのかよ」は、やましいことを自白しているに等しい。  不貞しているかどうかは、夫自身が知っているので、わざわざ証拠の有無を聞く必要はない。それを確かめようとする意味は2つ。①、証拠の有無を確かめ、シラを切れるかどうか考える。②、決定的証拠もないのに疑うなと妻をけん制するためである。  冒頭の夫は、飲み会や取引先の接待のはずなのに、しばしばシラフで帰宅する。「地方出張」の場合、尋ねても、誤魔化して、宿泊先を教えない。以前は忘れなかった帰るコールをして来ない上に、電話をかけても出ない。夜遅くや朝早く、「上司」から電話があり、突然の「休日出勤」を言い渡されて出かける。  ここまで怪しいと、妻がスマホを点検するのも当然だろう。夫のスマホからは、女性と二人きりで仲良さそうに映っている写真データが数点出てきた。観光地に遊びに行ったらしい。妻が、ツーショットについて問い質すと、「お前、俺のスマホを勝手に見たのか。プライバシー侵害だ」と怒り出す。  挫けずに追及すると、高校の同窓会で、2人切りではなかったという。同窓会の他の出席者の写真を見せてというと、夫は、妻の肩を掴み、真直ぐに妻の顔を見ながら、「俺の目を見ろ、信用しろ」と言った。  この夫は潔白か? 同窓会は本当か?  離婚や不貞の事例を30年間扱ってきた経験から、私は、断言できる。100%に近い確率で、同窓会は嘘であり、ここまでの嘘をつくのは、その女性と不貞しているからである。  この男性は、妻に君臨するモラ夫であった。多くのモラ夫は、チャンスがあれば、不貞し、風俗に通う。それは、女性を消費対象とみるからであろう。

「何度謝ればいいんだ」モラ夫は必ず逆ギレをする

 そして、不貞が否定しきれなくなると、モラ夫は、怒り、妻に責任転嫁する。  「俺の苦労も知らないくせに」と怒り、はぐらかそうとする。「俺が浮気したとしたら、お前に魅力がないからだろ」と自らの不貞の責任を妻に転嫁する。  モラ夫の一部は、「悪かった」と謝り、「二度としない」と約束することもある。しかし、多くの場合、この謝罪は、表面的、形式的なもので、心からの反省ではない。謝罪した後に、不貞問題にまた触れると、「何度、謝らせるんだ!」と逆切れするのは、心からの反省がないからに外ならない。そして、遅かれ早かれ、浮気は再発する。

世界に悪名とどろく、日本のモラ夫

 現在、先進国において、結婚・恋愛相手として、日本男性の評判は悲惨らしい。確かに国際結婚の相手国は、日本男性は、東アジア、東南アジアが断トツに多いが、日本女性は世界中の国の男性と結婚している。<参照: ”男性の国際結婚はアジア妻が8割、女性の相手国は多様”−Nippon.com>  「Chikan」が国際語になり、日本における性加害が広く世界に知られ始めている。観光客が増えているので、さらに周知のこととなろう。強姦犯人が捕まらなかったり、無罪が相次いだのも記憶に新しい。そして、日本男性が、驚くほどの男尊女卑(モラ夫)であることも、世界に知られている。  日本が、モラ文化を断ち切り、悪評を返上しない限り、日本に将来はない。 【大貫憲介】 弁護士、東京第二弁護士会所属。92年、さつき法律事務所を設立。離婚、相続、ハーグ条約、入管/ビザ、外国人案件等などを主に扱う。著書に『入管実務マニュアル』(現代人文社)、『国際結婚マニュアルQ&A』(海風書房)、『アフガニスタンから来たモハメッド君のおはなし~モハメッド君を助けよう~』(つげ書房)。ツイッター(@SatsukiLaw)にてモラ夫の実態を公開中
弁護士、東京第二弁護士会所属。92年、さつき法律事務所を設立。離婚、相続、ハーグ条約、入管/ビザ、外国人案件等などを主に扱う。コロナによる意識の変化を活動に取り込み、リモート相談、リモート交渉等を積極的に展開している。著書に『入管実務マニュアル』(現代人文社)、『国際結婚マニュアルQ&A』(海風書房)、『アフガニスタンから来たモハメッド君のおはなし~モハメッド君を助けよう~』(つげ書房)。ツイッター(@SatsukiLaw)にてモラ夫の実態を公開中
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