このBIGPR、多数のメンバーとの会議での話法と、一対一の対話での話法は異なるし、オフィシャルな会話とプライベートでの会話でのフレーズも異なる。しかし、BIGPRで基本的な構成を組み立てて話すだけで、相当程度、相手を引きつけることに役立ち、スマートな振る舞いを発揮することができる。
「スマートなビジネスパーソンになれ」と100回唱えることよりも、むしろ、一度も唱えなかったとしても、BIGPRというひとつのスキルを繰り出すことを身につければ、結果としてスマートなビジネスパーソンになれるのだ。
「100回のかけ声よりも、ひとつの分解スキル反復演習」……。これが、ビジネススキル向上の秘訣なのだ。
質問:BIGPRはどんな場面で活用できますか?
BIGPRは、どのような会話の場面で、活用できるのでしょうか? 一対一の面談や商談だけでなく、会議や立ち話などでも使えるのでしょうか?
回答:さまざまな会話の冒頭で活用できる
BIGPRは、一対一の面談や商談だけでなく、一対多数でプレゼンテーションをする場合、会議の進行をする場合などでも活用できます。さらに、すれ違いざまの立ち話、電話、メールでのやりとりなど、さまざまな場面の冒頭で活用すると相手を引きつける効果があります。
たとえば、進行役が会議でBIGPRを行うと、「いったいこの会議はどういう背景で開催されたのだろうか」「この人はどういう人なのだろうか」「目的は何だろうか」「いったいどのくらいの時間 を予定しておけばよいのだろうか」「参加者である自分は何をすればよいのだろうか」という参加者の疑問を払拭することができます。参加者に安心してもらうことができるので、会議の参加者を引きつけやすくなるのです。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第139回】
【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『
チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『
クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある