また仕事なら、普段平均して月に10件の契約が取れているならば、自分に対して今月は20件の契約を取るという目標を立ててみるといいだろう。その目標を、周りの人にコミットしてみると、コミットメントと一貫性の法則により目標達成に対する主体性が高まる(失敗が続くと評価が下がってしまうので、会社にコミットすることはオススメしない。スリルを体験したいのであれば別だが)。
できれば、この目標値を達成できるように目指してほしいが、すぐに継続して達成できてしまうと、それは達成確率50%の目標ではない。そのため、さらにそこから2倍にすることをオススメする。
目標設定は、始めたときは達成率60%で、しばらくして最終的な目標達成が80%程度となる量が最適だ。前述の例だと、
毎日100ページ読んでいた人→200ページを目標にしても最初は120ページ程度
毎月10件の契約を取れていた人→20件を目標にしても最初は12件程度
くらいになるだろう。かなり、現実味のある数字ではないだろうか。
その目標達成を66日程度(新しい習慣が定着するまでの平均期間)続けてみる。そうすると、その目標を達成するためのスキルが身についている状態になる。そして、改めて自分の達成率100%の量を見直して、目標値を2倍に高めることを繰り返すことで、成長のスパイラルに乗ることができるようになるのだ。
これが、「意識がちょうどよく高い系の目標設定の方法」なのだ。
一気に高い目標を立てるのは決して目標達成への近道ではない。目標をちょっとずつ高めることで、それを達成できるスパイラルに乗りつつ、自分の成長を感じて自己肯定感を高めることが、遠回りなようで成長への近道なのだ。
今年に入って、もう間もなく半年が過ぎようとしている。もう、折り返し地点だ。今年に達成しようとしていた目標を思い返してみて、達成を目指して取り組んでみてはいかがだろうか。
【参考文献】
『植木理恵のすぐに使える行動心理学』植木理恵
『第11回 続 達成へのモチベーション -J. W. アトキンソンの研究-』角山剛
【山本マサヤ】
心理戦略コンサルタント。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催。これまで数百人に対して仕事やプライベートで使える心理学のテクニックについてレクチャーしてきた。また、メンタリズムという心理学とマジックを融合した心理誘導や読心術のエンターテインメントショーも行う。クラウドワークスの「トップランナー100人」、Amebaが認定する芸能人・著名インフルエンサー100人に選出。
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