マスゲームでは中国人向けの演出も。「共産党がなければ今の中国はない」と書いてある
昨年、建国70周年記念で特別に復活させたはずの
マスゲームが今年も毎年の定例行事のように開催される。2019年は6月3日から公演すると正式に旅行代理店へ通達された。終了は、昨年と同じく10月上旬を予定しており、史上初の6月開催であり、これまた
史上初の4か月を超えるロングラン公演となる。しかも、10月中旬まで延長される可能性も代理店へ示唆している。
これまでになかった点はそれだけではない。今年はマスゲーム開催期間中に平壌へ滞在したらマスゲーム観覧がスケジュールに強制的に組み込まれる。つまり、
マスゲームを観覧しないという選択肢がないわけだ。2002年に始まり1年の休演を含め2013年までと復活した昨年も観覧を希望しないという選択はできた(現実的には日本人や中国人を除く全外国人はほぼ全員観覧してきたが)。
週何日公演するのかやマスゲームのテーマなどはまだ発表されていないが、観覧料は発表されており、昨年と同じとなる。
VIP席800ユーロ(約9万7700円)、1等席500ユーロ(約6万1000円)、2等席300ユーロ(約3万6600円)、3等席100ユーロ(約1万2200円)の4種類だ。
「枯渇しつつある外貨の獲得に必死なのが伝わってきます。強制観覧をわざわざ盛り込んできたのは中国人により多くの人民元を使わせるためでしょう」(中国朝鮮族の貿易会社代表)
北朝鮮の主要観光地は中国人観光客が多い
北朝鮮を訪れる全外国人の9割以上を占める中国人は日本人や他の外国人と比べると半分から3分1ほどの安い旅費で訪朝している。しかし、マスゲーム観覧料には優遇はなく他の外国人と同額になるためより多くの外貨を獲得したいのだろう。中国人は旅費と比べて高額なマスゲーム観覧を希望しない旅行者も少なくなく今年は「強制観覧」にしたのだと推測される。