さらに寺尾氏は、免許返納が進まない心理的な側面も指摘する。
「現在75歳前後の世代が青春期を過ごした’60年代は高度経済成長の真っ只中。必死に働いて車を購入し、週末ドライブに出かけるのが彼らの夢でした。75歳前後は『車とともに生きてきた第一世代』です。だから車への愛着も強い。免許返納は生きがいを奪われるのに等しいのです」
交通弱者である高齢ドライバーをヒステリックに責めるだけでは、新たな困窮者を生み出しかねないのである。
※週刊SPA!2019年5月28日号 「社会的弱者を救え!」特集より転載
― 社会的弱者を救え! ―