毒親アートフェス、虐待サバイバー写真展……。当事者たちによる取り組みの最前線

大人になってからも続く虐待の苦しみ

 親から虐待されても、必死で生き延びて大人になった人は、「虐待サバイバー」と呼ばれている。子どもを虐待する親は、子どもが大人になっても支配的な関係を強いるので、いつまでも親に苦しめられている虐待サバイバーは少なくない。虐待の苦しみは、大人になってからも続くのだ。  そのように、虐待の被害をリアルタイムに感じている当事者である虐待サバイバーは、政治家やマスコミが、さんざん虐待された後の保護や社会的養護を「虐待防止策」だと当たり前に語ることに違和感を覚えている。被害当事者にとっての虐待防止策とは、そもそも親から虐待されない社会の仕組みを作ることだ。社会の仕組みを作るには、虐待サバイバーの仲間と出会い、自分たち自身がほしい支援や法改正を社会に広くアピールすることが必要になる。  だから、虐待サバイバーによる防止アクションでは、主に以下の3点が大事にされている。 (1)虐待されてきた当事者が、虐待と被害を自覚するチャンスを作り出すこと (2)被害の苦しみから生き延びてきた履歴に価値があることを知らしめること (3)自分の価値に気づいた当事者が、その後の人生に希望を感じられること  実際にどんなアクションが始まっているのか。4つほど紹介しよう。

毒親について詠む短歌の会

 自身も虐待サバイバーでありながら、わが子への虐待を反省した兵庫県在住の野添まゆ子さんは、今年から「毒親短歌お茶会」を主催している。このお茶会では、「毒親」を描いた短歌を披露しながら、カジュアルに子ども虐待を語り合える。  第2回は、6月22日(土)午前10時から風見鶏本舗の北野坂支店(兵庫県神戸市)で開催される。費用は自分の飲物代と資料のコピー代(20円程度)だけ。参加希望者は、野添さんのtwitterアカウントまで事前予約を。  少人数で虐待サバイバーの当事者たちが集まるお茶会は、ここ数年で東京・大阪・岡山・福岡・広島など全国各地に増えており、虐待サバイバー自身がネットで呼びかけながら定期的に開催されつつある。「自分も親に虐待されてきたように思うけど、自信がない」と感じている人にとって、自助グループやカウンセリングに足を運ぶより気軽に参加できるのが魅力だ。
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子ども虐待防止の朗読会も
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