心理学の世界で、カメレオン効果というものがある。人間は、無意識に目の前にいる人の、口癖や仕草を真似をしてしまうというものだ。人間が円滑な人間関係を築けるように、本能的に持つ能力だ。
口癖や仕草などの外からの影響は自分の心に影響を与えて、影響を受け続けると人格へも影響を与えていく危険を持っている。まるで、透明な水に一滴ずつ絵の具を落としていくようなものだ。
自分が嫌いな人に囲まれていると、その人たちの口癖や行動習慣が移って、気がつかないうちに嫌いな人に似てきてしまう。ましてや、日本人は我慢が得意(好き)だったり、空気を読んでしまうので、余計にこの影響は大きいだろう。
ただ、ネガティブなことばかりではない。悪い環境にいると思うならば、自分が好きな人・尊敬する人といることで、そのような環境が自分を高めることができるからだ。もしも、手っ取り早く自分を変えたいならば、出会う人・話す人を変えるのが簡単だ。それなりの人と会うので、出費はかかるかもしれないが、本を買うような投資だと考えたら、安いものではないだろうか。
もし、嫌いな人間に囲まれて仕事をしているならば、「自分の軸を調整するために会う人」というのも決めておいてほしい。人間は比較する対象がないと、自分が変化しているのか、道からずれているのか判断ができないからだ。
たとえば、自分のメンターなのか、話の合う友達なのか、尊敬する人の伝記、映画でもいい。自分の軸を再確認できる存在に定期的に触れて環境に染まらないようにしてほしい。嫌な人の色がついても、透明な水を補給してあげることで、自分の色を取り戻してほしい。
【山本マサヤ】
心理戦略コンサルタント。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催。これまで数百人に対して仕事やプライベートで使える心理学のテクニックについてレクチャーしてきた。また、メンタリズムという心理学とマジックを融合した心理誘導や読心術のエンターテインメントショーも行う。クラウドワークスの「トップランナー100人」、Amebaが認定する芸能人・著名インフルエンサー100人に選出。
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