夕張市が中国系企業「元大グループ」に売却したスキー場「マウントレースイ」
この“北海道版モリカケ事件”については、今年の夕張市長選(4月21日投開票)で次点だった多喜雄基・元市議が「平成22年に(資本金)100万円で設立された会社の実態は調べたのか。夕張市政のブラックボックス化が心配だ。情報公開をして、議会や市民の理解を得るべきだ」(4月8日の公開討論会)と疑問呈示をしていた。
地元の夕張市議は「市議会で(夕張市施設売却の件について)追及したい。億単位の損害を市に与えたとして住民訴訟も視野に入れて調査中」と意気込み、「6月の道議会で質問する準備をしている」と野党系道議も話す。市議会や道議会だけでなく、国会でも取り上げられる可能性は十分にある。
8億円値引きの森友事件と同等以上のスキャンダルとして、「中国系企業が10億円以上の転売益を得る一方で、数億円単位の損害を夕張市に与えたのではないか」と追及されても不思議ではないからだ。
官邸主導で与党系候補となった、“菅官房長官チルドレン”とも呼ばれる鈴木知事を直撃するこの利益供与疑惑。それと同時に、北海道が外資に切り売りされていく事態を放置してもいいのかという問題もあわせ持つ。夕張市議会や道議会や国会での追及が期待される。
<取材・文・撮影/横田一>
ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた
『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他
『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数