タイは南国のイメージから、様々な事柄が緩い国だと思われがちだが、飲食店、特にバーなどの営業時間のほか、アルコールやタバコですら販売規則などが厳しい。麻薬に関しては言わずもがなであり、売春も強制的に従事させていた場合は管理者は死刑や終身刑にもなる。特に未成年者への性的な行為は東南アジアの中でもタイは厳しい部類に入る。
タイは1990年代、あるいはそれ以前に人身売買の問題があった。地方の貧しい農村では子どもをわずかな金額で売ることが少なくなかった。ときには性的なサービスを行う施設で働かされる子どももいただろう。
以前のタイの刑法では13歳未満とそれ以上で分けられていたが、現在は15歳未満に引き上げられている。日本における法律では、刑法第176条で「13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」となっている。ほかにも各県で定める青少年保護育成条例や児童福祉法で未成年者との淫行などに関して処罰が定められている。
日本の青少年保護育成条例の処罰規定は各都道府県で違うが、最大でも2年以下の懲役、または100万円以下の罰金となっている。年齢の規定や刑罰を見ても、日本よりもタイの方が厳しい。
しかし、現実的にタイは性風俗産業が盛んで、それを目当てにした外国人観光客も多い。こういった遊び場を割り切って利用しているならまだいいが、中にはタイ人女性がすべて売春に関わっていると勘違いする大馬鹿者もいる。そういった中で元々ペドフィリア(小児性愛者)なのかモラルが欠如していたのか、それとも開放感で訳がわからなくなってしまうのか、I容疑者のように女児に限らず、一般女性に対してわいせつ行為などをしてしまう外国人もいる。
海外で「日本の恥」とならぬよう、モラルある行動を願いたいものだ。
<取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:
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たかだたねおみ●タイ在住のライター。近著『
バンコクアソビ』(イースト・プレス)