北海道版“モリカケ事件”!? 自民推薦の鈴木知事に中国系企業への利益供与疑惑

夕張市議会での説明との食い違いについて何も語らない鈴木知事

知事選

北海道知事選では、鈴木氏の応援に菅官房長官も駆けつけた

 4月23日、北海道庁の記者会見室。「知事会見で質問できるのは記者クラブ所属の記者だけ」(知事室広報広聴課・木下博史主幹)と釘を刺されていたため、初めての知事会見が終わったとたん、筆者は知事に声をかけた。 「元大グループへの転売疑惑についてはどうお考えですか? ホテルが売却されて夕張市民の雇用が失われる可能性がある。(夕張)市議会の答弁とも食い違っています」と鈴木知事に声をかけ続けたが、無言のまま立ち去った。  立ち去る後ろ姿に、「記者クラブ以外は質問できない体制を続けるのでしょうか?」と呼びかけたが、振り向くことはなかった。  説明責任を全く果たさない知事の姿勢は、知事選の時から一貫していた。選挙戦最終日の4月6日、個人演説会で挨拶をした後の鈴木氏を筆者は直撃、元大グループの転売について聞いたが、一言も答えることなくワゴン車に乗り込んだ。翌7日にも、当確を決めた選挙事務所で再び鈴木氏に同じ質問をしたが、ここでも無言を押し通して立ち去った。  夕張市所有財産(観光施設)の売却で中国系企業を優遇し、10億円以上の転売益を与えたのではないかという疑惑は、闇に包まれたままだ。「ピンチをチャンスに」「攻めの道政」をキャッチフレーズにして知事選を戦った知事だが、地元雇用喪失の恐れがある香港系投資ファンドへの転売(経営陣交代)という「ピンチ」について、なぜ何も語らないのだろうか。  この“北海道版モリカケ事件”ともいうべき疑惑について、知事がどう対応していくのかが注目される。 <取材・文・撮影/横田一> ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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