再生可能エネ革命と新・化石資源革命に求められる送電網と「原子力を重要なベースロード電源とする」送電網とではその構成が大きく異なります。金食い虫でサンクコスト(埋没費用)ばかり膨れ上がり、肝心要の発電原価は極端な捏造数値、いつになったら発電開始できるかも分からない金利負担ばかり膨れる原子力発電に、2030年30基というあり得ない虚構の数値を目標にすれば、電力資源への投資はゆがむ一方で、インフラは破綻しかねません。
実際、旧ソ連邦ではブレジネフ末期に一層悪化した統計の捏造によってインフラ投資はゆがめられ、鉄道、道路、電力などの基幹インフラは崩壊の危機にありました。その結果として起きたのが人類史上最悪のパイプライン爆発(ウファ鉄道災害)であり、チェルノブイル核災害、であったといえます。(戯言あつかいではあるが、ウファ鉄道事故は、合衆国によるサイバーテロであったという説もある)
要は、
自らの無能と、無為無策を市民にツケまわしをして、更に持続性も安全性も極端に低い社会を市民に押しつけて利益を仲間内のみで分け合うという構想といえましょう。私には、末期のソ連邦と瓜二つに見えて仕方ありません。
会見の中で、S+3E(安全を大原則に経済性と安定供給、環境適合)という官製スローガン*を中西氏は持ち出しますが、実体は全く伴わず、目指すものは全く無意味なSociety 5.0であり、ナントカ2.0と同じ全く無意味で空虚なスローガンであって、スローガンに始まりスローガンに終わる中身空っぽの極悪プロパガンダそのものと断じて良いです。。Society 5.0には、科学技術関連予算から26兆円を投入するとのことで、日本はますます凋落の一途と言うことです。
<*:日本のエネルギーのいま:政策の視座(METI/経済産業省。リンク切れ)によれば、”視点1:「3つのE」と「一つの大きなS」 エネルギー政策は、3つの「E」(安定供給、経済効率性の向上、環境への適合)と1つの「S」(安全性)(=3E+S)を基本的な視点としています。 この4つの視点をバランスよく実現しなければなりません。”とある。
S+3Eは、2010年エネルギー基本計画の目標とされた標語であるが、実態は原子力PAスローガンである。福島核災害によって自爆した標語であるが、2013年原産大会を契機にヒノマルゲンパツPAスローガンとして復活している。参照:
JAIF>
中西氏記者会見 概要資料より
S+3Eそのものは当たり前の概念であるが、そこに牽強付会が入り込み、もはや全く意味の無いスローガンの羅列と化している。Society5.0には国の科学技術予算から26兆円の投入が予定されており、東芝など経団連企業が群がっている*
*”
「ソサエティー5.0」の衝撃 第5の新たな社会とは | Toshiba Clip”
東芝『「ソサエティー5.0」の衝撃 第5の新たな社会とは』より。新しい社会を象徴する写真が、超高真空装置のフランジ、しかもとっても高価なビューポートとは、とは大爆笑の笑止千万である
本連載、次稿は、中西氏会見後半の文字おこしとその解説となります。
『コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」』第4シリーズPA編Ⅲ原子力産業・圧力団体による宣伝・政策活動−−2
<取材・文・撮影/牧田寛 Twitter ID:
@BB45_Colorado photo by
Nuclear Regulatory Commission via flickr (CC BY 2.0)>
まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題についての
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まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについての
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