落ち込んでも一瞬で立ち直れる。米心理学会会長の発案の「ABCDE」モデルとは?

 あなたはポジティブな性格ですか? それともネガティブなタイプでしょうか? マーティン・セリグマン教授を祖とする「ポジティブ心理学」によれば、ポジティブ思考の人はネガティブ思考の人よりも様々な面で得をすることが多いようです。

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 しかし、ネガティブ思考のあなたにも朗報です。あるメソッドを使えば、ネガティブ思考の人でもたちまちポジティブ思考に変身することができるというのです(『オプティミストはなぜ成功するか』マーティン・セリグマン)。本日はこの「ネガティブ思考のクセを直す方法」について見ていきたいと思います。

楽観的なほうがメリットは多いという現実

   そもそも、ポジティブ思考になるとどんなメリットがあるのでしょうか? セリグマン教授の研究によれば、下記のような違いが見られるそうです。  楽観的な人のほうが、悲観的な人よりも健康状態がよく、長生きをしている  楽観的な保険外交員のほうが、悲観的な外交員よりも営業成績がいい  楽観主義な生徒のほうが、悲観主義的な生徒よりも学校の成績がいい    スポーツ競技(メジャーリーグ・NBA・水泳など)でも、楽観的な選手のほうが、悲観的な選手よりも成績がいい  アメリカ大統領選挙でも、楽観的な発言をする候補者のほうが、悲観的な発言をする候補者より得票率が高い  など、あらゆる分野で、ポジティブ思考になるほうがパフォーマンスが高まることが確認されています。

ポジティブ思考とネガティブ思考は何が違うのか?

 では、ポジティブ思考の人とネガティブ思考の人は何が違うのでしょうか? セリグマン教授は、同じ出来事が起きても、両者でその出来事に対する「解釈」が違うということを突き止めました。  たとえば、「いいことがあった」とき。ポジティブ思考の人は、「やった! 私はいつもツイている!」と考えるのに対して、ネガティブ思考の人は、「やった! 今日の私はツイている!」と、一時的な解釈を加えます。  逆に「悪いことがあった」とき。ポジティブ思考の人は、「あーあ、今日の僕はうまくいかない」と考えるのに対して、ネガティブ思考の人は、「あーあ、僕はいつもうまくいかない」と、永続的な解釈を加えます。  つまり、この「解釈」の仕方を変えれば、ネガティブ思考の人もポジティブ思考に生まれ変わることができる、というのです。
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数千人を楽観主義者に変えた思考法とは?
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高田晋一氏が定期開催しているワークショップでは次回、この「ABCDEモデル」を実践する時間を設けるとのこと。