日本の映画料金、世界でもトップクラスに高いのはなんで?
3月18日、TOHOシネマズが映画料金を1800円から1900円に上げると発表した。これに不満の声をあげる映画ファンは多く、問題となっている。その背景にはどんな理由があるのか、迫ってみたい。
まず、映画ファンの間には、「ただでさえ日本の映画料金は高いのに」という声がある。では、どのくらい高いのか?
世界各国の映画料金の比較を行った海外サイト「Nation Master」の資料を見ると、’14年の調査時点で日本の映画料金は17.67ドル、調査対象174か国中5番目の高さだ。
1位のサウジ・アラビアの60ドルというのは驚異的な高さだが、日本の映画料金の値上げが26年振りであることを考えると、以前であれば2位アンゴラ、3位スイス、4位ノルウェーよりも高かった可能性さえある。今回の100円値上げというだけでもノルウェーを抜く可能性は大だ。
その他、代表的な国との比較で言えば、イギリスが13.30ドル、フランスやドイツが12.29ドル、中国が12.23ドル、イタリアやスペインが10.92ドル、アメリカが10ドル、台湾が8.91ドル、韓国が8.41ドル(いずれも’14年時点の統計)となっている。
ちなみに筆者の住んでいるブラジルは、ほかの南米圏の国同様に入場料は安く、7.65レアルとなっている。この5年で物価がだいぶ上がった気もするので今となってはもう少し高い気がするが、それでも生活実感として10ドルを超えているということはない。
しかもブラジルの場合、日本でも導入されているシニア料金は通常料金の半額(日本の場合は700円割引だが半額には至らず)であるほか、映画館のスポンサー銀行による半額割引が効くところも多く、それがゆえに日本円換算で600円もかからないで映画を見ることができている。
そんなブラジルでも高い映画館というのは存在する。それは「VIP席」と呼ばれるもので、そういうタイプの映画館に行くと、座席が大きなリクライニング・シートになっている。グルメやポップコーンをはじめ、通常の映画館ではまず食べられそうにない小洒落た料理までウェイトレスが運んでくるサービスのものもあるが、それでも料金は日本円で1600円程度だ。もしブラジル人が日本の映画館に行ったら、信じられない思いをすることになるだろう。
日本の映画料金は世界でもトップクラスの高さ
ブラジルなら「VIP席」で1600円程度
ハッシュタグ