「日本の金融商品にそそられない」。元駐在員が億超えを遂げた運用方法とは?

 先行き不透明な時代において資産運用での“自己防衛”は必須だ。しかし、やらなければと思いつつも実際にはむしろムダな出費にカネをかけている人が多いのではないか。今回、実際に資産を築いた人たちの運用方法を丸裸にした。その手練手管をぜひ生かしてほしい。
香港

フレンチワイン / PIXTA(ピクスタ)

駐在経験を生かし外貨建て商品での資産運用を継続中

松島幸伸さん(仮名・57歳・商社) 年収/1500万円 運用歴/11年目 住宅ローン/あり 資産/1億2000万円 「キャッシュが5000万円ほどあって、今はこの資金の振り分け先を物色中です。日本の金融商品には正直、そそられるものがなくて」  そう話すのは、専門商社に勤める傍ら資産運用に励む松島さんだ。十数年前から株式、投資信託、外貨預金などで運用し、今や資産が1億2000万円に届いている。 「自宅は現金でも買えたけど、住宅ローン控除の節税効果を受けたかったのでローンを組みました。変動金利1.3%で3000万円ほど。あと5年で控除が切れるので、そしたら一括返済しようかと」  そんな松島さんが大きく資産を増やしたのは、’07~’13年の中国駐在時代だという。1ドル80円台という超円高だった当時、日本の給料口座にあった約1500万円の預金をすべて人民元に換金。さらに換金した人民元は現地で口座を開設し、3年定期で利息5%という高金利の定期預金に預けた。

駐在中に開設した香港の銀行口座をそのまま利用

 その後、築いた資産を積み立て型の投資信託で運用し3000万円に到達。また、駐在中に開設した香港の銀行口座を海外のヘッジファンド系商品の振込先として今も使い続けている。円建て資産以外にもリスク分散できるメリットがあるのに加え、海外の金融商品への再投資がしやすくなるからだ。 「そういった金融商品に比べると、運用率の悪さなどから日本国内の商品は魅力的ではないですね。ただ、もう少し円高になったら、新興国株式や投資信託にも分散してみたいとは思っています」
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3000万円まではリスクを取る投資も
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